「Google Fi」で心折れそう
これのやらしいところは、キャンセル確定するのが12時間後ぐらいなんです。
だから「おっ、行ったか?」と、注文が通った気になっていても、深夜に「駄目でしたメール」が届くという誠にめんどくさい仕様である。
これまで2度Googleにメールを送ったが、返事が返ってこない。
やむを得ずチャットに挑むことにした。
1回目、原因分からず。終了。
2回目、アカウント担当とカード引き落とし担当で協議中。その間に、担当者が「もしかしてあなたアメリカにいないの?」と聞いてきた。
ここは正直に「はい」と答えた。
「それが原因です!」びしぃ!
「えっ?」
「このサービスはアメリカにいないとだめです」
「いやでも(転送先の)住所はアメリカですよ」
「今いないことが駄目なんです」
なるほど、とにかくGoogle Fiを始めたい場合、アメリカ領内にいて登録作業をしないとだめなんだね。ふと思ったけどアメリカ民間旅客機内だとどうなんだろう?
まあいいや、いずれにしてもやり方を変えなきゃいけない。
「アカウントはどうなんですか? アメリカで作ったものでないとだめなんですか?」
「そのままのアカウントで大丈夫」
「繰り返すけど、今のアカウントでアメリカに来て設定すれば大丈夫ということですね」
「その通り」
通信終了。
つまり、アメリカ領内になんとかして移動しないとGoogle Fi用SIMを発行していただけないというわけだ。
ただ、日本で作ったアカウントで開通できるのくだりは「ほんとにできんの?」という気持ちが強い。
AT&Tといい、Googleといい、いったい何なんだよもう。でもまあアメリカのサービスなんだから当たり前といえば当たり前なんだけどね。少なくともアメリカ国籍が無くても作れるということだけでもありがたいと思うべきだろう。
いずれはグアムかハワイにでも行って何とかしたいが、このまま自宅で何とかならないものか……
なんとかズルできんのか。
「Wi-Fi calling」と「VoWiFi」、何が違うの? 3GPPの中の人に聞いてみた
3GPP(3rd Generation Partnership Project)とは - IT用語辞典
この組織というかプロジェクトが、Wi-Fi callingにかかわる「GAN(Generic Access Network)」という規格を公表したわけだが、最近になって「VoWiFi」という名前も見られるようになってきた。
この二つのものをどう見るべきか……
わたしは悩んだ末に、3GPPにメールを出すことにした。
「そちらでGANを決められましたけど、最近VoWiFiという名前も見られます、これはWi-Fi callingと同じなんですか?」
と質問してみた。正直返事が返ってくるとは思ってなかった。何せ、世界組織のようなところですから。
ところが数時間も経たないうちに返事が返ってきた。
曰く……
「それはGSMAでの呼び名です」
こちらは世界最大の携帯業界団体。それがVoWiFiって言ってるんだから、まあ業界としては使いますよね。
個人的にはWi-Ficallingとして呼ばれていた歴史的経緯から考えて、ぽっと出の「VoWiFi」という名称には納得がいかない。
実際、スマートフォンなどの設定においては「Wi-Ficalling(日本語表記ではWi-Fi通話)をオンにする」という具合に言われているわけで、「VoWiFiをオンにする」という表記はまだ見られないけれども、もしあったとしたら文法的に適切でないような気がする。
でも、数で勝る組織がそういうんだからしょうがない。
通知セクションの場所の節約という意味では「VoWiFi」というのは有効である。
あと長い物には巻かれろが身上ですから。でもこのブログではWi-Ficallingで統一します。
似てるけど同じなの?「Wi-Fi calling」と「VoWiFi」
最近、新しいスマートフォンで「そうなの?」と思ってしまう表示が出ている。
Wi-Fiアンテナアイコンの隣の隣を見ていただきたい。「VoWiFi」とある。
なんですかねこれは。まさか「Wi-Fi calling」のことを表しているわけではないでしょうね。
まずは「Wi-Fi calling」からおさらいしましょうか。
Wi-Fi Callingでは、インターネット経由で事業者のサーバーに接続し、携帯電話のSIMカードの情報を用いて認証を実施した後、インターネット経由で事業者の網に繋いで通話を行なう。
携帯電話がWi-Fiとそれに繋がれたインターネットを経由して通信事業者の交換機等に接続できるようにする。それが「Wi-Fi calling」である。
では「VoWiFi」とは何か。
ここからまるでマトリョーシカのようになってしまうがご了承いただきたい。上記の説明を見るとらさらに「VoIP」についての情報が必要であることがわかる。
VoIPとは、Voice over Internet Protocolの略で、音声をデジタル化し、TCP/IPネットワークによって送受信する技術のこと。インターネット(IP)電話などに使用されている。
まとめると「無線LANを利用した音声通話をデータ通信として提供する技術」となる。ここで意味がよくわからないのが、無線LANを一体どこで用いているのかということである。
携帯電話と無線LAN親機を無線LANで(くどい)結びつけているのは分かる。ではその先についてはどうなのか? 無線LAN親機とさらに別の無線LAN親機を結ぶのにも無線LANを使うのか? (距離的に無理であるが)その無線LAN親機の電波を無線LANでコアネットワークにつなぐのか?
ネットで調べてもこのVoWiFiは正確な定義が見当たらない。はっきり言えば携帯製造会社においては「Wi-Fi calling」という呼び名で統一されており、VoWiFiなんていう言葉はどこも正式に採用していない。
Make a call with Wi-Fi Calling - Apple Support
中にはVoLTEと関連付けている記事もあるが、これとVoWiFiも直接の関係はない。
3G携帯電話の時代に、電話網と別に、通信網として作られたのがLTEである。VoLTEは、このLTEを使って電話をするための技術となる。
端的に言えば「VoLTE」はLTEを使用した通話通信技術であり、「VoWiFi」はWi-Fiを使うインターネット電話のことである。
確かに、どちらも「音声をパケット通信にしているという点」では違いはない。そしてLTEになり、より大量のパケットを流せるようになったという意味では「それじゃIP電話として使っても音質が悪くなったりしないね」という考えのもと、「VoLTEとして通信ができるのであればVoIPも認めましょう」とキャリアが考えるようになり「VoLTE→VoIPのスイッチオン」という流れになるのというのは理解できる。
しかしやはりだからといってVoLTE=VoIPとはならない。考えても見てほしい。LTEになるまでIP電話って存在していなかったのか。そうではない。SkypeやGoogleVoiceなどはその前から存在していたのである。
繰り返すが「Wi-Fi calling」の肝は、携帯端末の通話(音声通信)がWi-Fiを電波を経由して通信事業者のコアネットワークにつながり、相手の電話につながることである。
コアネットワークとは、その名の通り、情報通信網の中核にあたる部分を示す言葉です。「基幹通信網」「バックボーン」と呼ばれることもあります。
決してWi-Fiに乗せた音声通信をパケット化することではない。だから「VoWiFi」などというわけのわからない表記はやめることだ。それでは意味というかニュアンスが伝わらない。
しかし、これについてはあっけなく答えが出たのだ……
「Wi-Fi calling(Wi-Fi通話)」の凄さを伝えたい
T-MobileによるWi-Fi callingの凄さを伝えたいのだが、伝わらないのがもどかしい。
凄い凄いと口だけで言ってみても埒が明かないので、その技術とか歴史とか調べてみようかと思ったのだがこれがなかなか難しい。
いろいろと雑然としたことを書いてしまうが、お許し願いたい。
なぜ難しいのか。それは「Wi-Fi calling」の技術的立ち位置が不明であることが理由としてあげられる。
そもそもの出発点はUMA(Unlicensed Mobile Access)である。
このUMAというものが、どこの組織が作り出したどんな技術なのかというのはよくわからない。ただしそのあとのことならわかってきた。
と思ったら、このようなページを見つけた。
こちらの記事によれば「GSMなどの携帯電話網に他の無線技術を使ってアクセス出来る技術」とまとめられている。他の無線技術というのは主に免許のいらない無線LANやBluetoothをさす。
「3GのプロトコルのままWi-Fiに通話を引き継がせる」ことを目指している。
実例として……
「BT Fusion」が挙げられている。
英BTグループのGSMネットワーク内の設備に、UNC(UMA Network Controller)を設置。UNCはGSM内の交換機MSC(Mobile Switching Center)からは無線基地局に見える。
との記載がある。少なくとも物理的な機器としてUNCなるものが存在したらしいことはうかがえる。
ただ、BT Fusionはどうも携帯電話だけではなくて固定電話も使っていたようなので、現在のWi-Ficallingとは少し様子が違う。そして自宅に備え付けられるものがWi-Fiではなく「基地局」とあるので、ホットスポット的なもう少し規模の大きな機器があったのかもしれない。
とはいえその接続の技術としてはUMAが用いられたので概念としてWi-Ficallingの始祖であるといえる。
よくよく読んでみたらWikipediaのGANのページに歴史的な経緯が乗っていた。
Generic Access Network - Wikipedia
曰く……
2000年代初頭、いくつかの携帯端末製造会社と通信事業者のグループが、高速化しつつあるインターネット回線に目を付け、これと携帯電話の通信を結び付けられないかと考え始めた。それによって生み出された技術がUMAである。2004年にその最初の規格が決定した。
しかし、これだと一部の企業しか用いないことになってしまうのでもっと広範な規格として発展させるべく、3GPPのプロジェクトに含まれるよう働きかけた。
2005年4月8日。3GPPは「release6」にてUMAの規格を承認。なおここから名前がGANと変更された。ただし、その呼び名は強制されるべきものでもないため、最初の名前であるUMAも依然として使われている。
ここが2004年に出した規格に「GAN(Generic Access Network)」があるのだが、それについては前述の記事にこうある。
これ以上でもこれ以下でもない、でもわかりやすい記述である。
ここからわかるように「Wi-Fi calling」と部分から見れば、その概念はUMGもGANも変わらない。
ある端末を使っている人物がいたとする。この人が家の外にいて移動しているときは、携帯電話事業者の立てたアンテナによって通話をしている。だが家の中に入りWi-Fiの圏内に入ったならば、通話は切れることなくその通信はWi-Fiに引き継がれる。その逆も可能である。シームレスであるということが最も重要なポイントだろう。
Wi-Fiを利用しているわけだから、その考え方として「国内通話」「国際電話」という区切りはつかないが、通信事業者はそれについて料金体系をどうするかは自由に決められる。また、料金プランによって利用できるかできないかも決められる。
複雑な事例としては「アメリカの携帯電話を日本に持ち込んで、アメリカに住むアメリカ携帯電話に電話をかける」などがあげられる。
日本に居てもWi-Fiを使えば、通信の流れとしては「携帯電話回線を使っての国際通話をしているわけではない」から「国内通話」といえる。しかし実際は「日本からアメリカ」にかけているのだから「国際電話」ともなろう。
AT&TはポストペイドではWi-Ficallingは使えるが、プリペイドでは使えない。
それはともかく、これの利点は通信事業者のアンテナがカバーする範囲が狭くても、Wi-Fiさえあれば通話が可能になることである。単純に物事を見ればアンテナの範囲が広がったようなものだ。
さらに通信データの問題から言っても、携帯電話の通話を全て基地局だけで処理するのではなく、Wi-Fiとそれによってつながっているインターネット回線にリソースを振り分けることにもなり、その意味でも通信事業者の負担が減ることになる。
加えて自宅のWi-Fiの電波のほうが強力で安定しており、音質の意味でもより良いものを期待することができる。
インターネット回線を用いるという点でIP電話と似ているが、あくまでも携帯電話の通信規格によるものなので技術的には全く違うものである。
このようにいいことづくめのものであるが、一体その技術はどんなものかと言われれば説明が難しい。
概念は前述した通り明らかなのであるが、技術についての記述がほとんどないのだ。
なにせ現在GANについて、日本語Wikipediaにはその記事が無い。なぜないのかと言えば日本の携帯事業者がWi-Ficallingの技術を導入していないことによるものが大きいだろう。
使われていないものには誰も関心を払わない。
よって誰も解説を試みないわけだ。
あと3Gの技術とWi-Fiの融合であるから、そのどちらかの解説だけでは説明しきれない。つまり3Gの説明からもWi-Fiの説明からも抜け落ちる可能性があるということである。というか実際そうなってしまっている。
山根博士の記事・最新アメリカプリペイドスマートフォン事情
博士は海外端末の第一人者であらせられるのですけど、この記事によるとアメリカプリペイド端末事情に若干の変化がみられることがわかる。
実は博士、去年はこの記事を書かれていました。
ちょっと寂しかったんですよ。あぁ、博士もとうとう日本キャリアのSIMが刺さった端末を使った国際ローミングで済ますようになっちゃったのかと……
しかし中身をよく読んでみると、そうではなかったんです。
筆者も今回のCES 2018期間は、初めて現地SIMを買わずに過ごしました。利用したプリペイドSIMは香港キャリアの販売品。中国移動香港が昨年末に発売した「アメリカ・カナダ・香港3GB」プリペイドSIMというもの。
博士…… あくまでも「アメリカでSIMを買う」ということは行わなかったものの、香港キャリアのSIMを使うという、実に玄人じみた方法をとったわけです。
冒頭の記事ではアメリカにおいては「アメリカのMVNOの格安スマートフォン」を買う方法を勧めています。その際のコツについて……
アメリカでプリペイドスマートフォンを買っても、今自分のスマートフォンで使っている環境を移行するのは面倒です。特にLINEなどのSNSサービスは同じアカウントを複数の端末に入れられません。アメリカで買った端末にアカウントを移行してしまうと、今使っているスマートフォンのタイムラインのログが消えてしまいます。そこで現地で買ったスマートフォンはGoogleアカウントを入れて地図やメール、検索くらいに使い、あとはテザリング機能をONにしてモバイルWi-Fiルーター代わりにするのがよいでしょう。
博士は、テザリング用端末として買うのであれば次のものを勧めています。
アメリカのMVNOはいくつかありますが、Boost Mobileはテザリングが別料金ではないため使いやすいと思われます。
もちろんBoost MobileのプリペイドSIMだけを買って、日本から持ち込んだSIMフリーのスマートフォンに入れれば使うことが可能です。でも日本のスマートフォンはそのままにしておきたい時は、プリペイドスマートフォンのセットを買うのがお得です。SIMカード代金は10ドルしますが、プリペイドスマートフォンの安いものなら30ドルくらいで買えます。つまり実質20ドルで現地スマートフォンを買えるわけです。
これちょっと興味あるけども、アクティベーションとかどうなんだろうか?
なお購入後の登録はWEBページからも行えます。案内は英語ですが、そもそもアメリカでプリペイドスマートフォンを買おうという人なら、ある程度の英語はできるでしょう。また必要事項を入力するくらいなので、難しいものではありません。アメリカに行く予定のある方はぜひ購入にチャレンジしてみてください。
Google翻訳と気合で何とかなるかな?
GoogleVoice電話番号とアメリカ電話番号取得で沼にはまる(その5)-AT&Tの場合・暫定的後編
2019年2月8日現在。
AT&T(プリペイド)のSIMを日本でアクティベートして、アメリカに行く前に日本で使えるようにできるか。
試験結果
できない。
以下、詳細を記す。
2.ローミングによらない通信手段であるWi-Ficallingを、AT&Tはプリペイドには開放して(サービスを始めて)いない。
よって、メッセージによるPINコードを日本では受け取れない。
なお、AT&Tウェブ上で日本においてプリペイドSIMのアクティベーションは可能である。
どうもね、AT&TのWi-Fi callingはプリペイドプランではまだ始まっていないようなんですよ。サポートで聞いた話となんか違うなぁ……
調べていなかった自分が悪いんですけど、アクティベーションができるのに日本では使えない。本当に開通したのか調べる術がないんです。
AT&Tのサポートに聞くという手段もあるんですが、なかなかそれも大変である。
GoogleVoice電話番号とアメリカ電話番号取得で沼にはまる(その5)-AT&Tの場合・中編
あきらめが悪いわたしは、引き続きAT&Tとチャットでコンタクトを取りつつも、全く改善しない状況に絶望感を感じ始めていた。
T-Mobileのときも思ったのだが、対応する人物によって言うことが割と変わる。特に「Wi-Fi calling」の内容についてはかなり変わった。
ある人は使えるといっていたり、別の人は使えないといってみたり。
そんな中でとうとう電話サポートで日本語通訳が出現し、より踏み込んだ内容について問い合わせることができた。
今回も最初、チャットでスティーブとやり取りしていたが、途中でテクニカルサポートのスティーブに変わった。どっちもスティーブか。
しかしやはり最後は電話での問い合わせに誘導された。
AT&Tだけではないだろうが、問い合わせによって電話先が違う。わたしの場合通常の携帯回線についての問い合わせからプリペイド回線の担当へ移動。最終的にはわたしが日本に居るということで「インターナショナルカスタマーサービス」が扱うことに。
スティーブによると電話番号は「+1 314 925 6925」。
しかしためらいがあった。前回の問い合わせでは結局日本語で話すことはできなかったからだ。
思わずチャットでスティーブに弱音を吐く。
「多分無理だろう」
間髪入れず、激励の言葉が。
「大丈夫、電話してみてくれ、そうすれば何とかなる」
そうかなあ……
かなり疑問を持ちながら、電話をかける。また「何番を押せ」と言っているが、詳しくわからない。今回も1を押してみる。
ここでコールが流れた。お?
「ペラペラペラ」
「I can only speak Japanese.
Could I talk to With a person who can speak Japanese」
「ジャパニーズ?」
「イエス」
「ホールド」
通じたのか? ここで10分ぐらい待つ。
「もしもし、お客様」
おお、ついに日本語通訳が登場だ。
「はい、聞こえます」
「通訳を担当する〇〇です、よろしくお願いします」
T-Mobileのときとえらく違うな。前は全く回線の一部のような態度で「顔が見えない」状態だった。それはそれで仕事としては成り立つんだろうけどね。
ともかく今回は○○さんとともに問題の解決にあたることになった。ここでスティーブとはお別れ。チャットで礼を言い終了する。
スティーブ「great!」
「SIMはアクティベートができたのだが、それを挿したスマートフォンではアンテナが立たない、どうしてでしょうか?」
「調べてみます」
「アクティベーションは成功しています」
うーん…… やはりそうなるか。
「どうしたら、日本で通じるようになるか」
「もう少し詳しく調べたいので、あなたのPINコードを知りたいので教えてくれ」
あー、PINコードね。電話番号とそれを合わせて本人確認とするというやつなのであるが、わたしの記憶ではアクティベートのときそれを決めたり、情報を受けとったりした覚えがない。
今考えると、アクティベートが完了したSIMをさした端末にメッセージが来るんだったよな確か。
だが実際には、当該SIMは繋がっていない。なのでそれをさした端末に何のメッセージも来ない。だからわたしはPINコードを知らないのだ。これがまた後で大きな問題になるのだが……
ここで言っておくが、アクティベートには「日本でSIMが使えるようになっている」ことは必要ではない。日本でつながるとか繋がらないは関係ない。実際わたしがネットで行った登録でアクティベートは完了している。
その後、アクティベートのページは「My AT&T」のページへと遷移するように誘導される。ここで個人情報設定やプランに必要な金額をチャージできる。
ここで「auto Play(自動支払い)」にしていなかっただけ、救いなのだが、だがそれだと当然、せっかく取得した自分の電話番号を維持できず廃止になってしまう。
本人確認が取れないまま、話を進める。
「Wi-Fi callingが使えれば、日本でも使えるのではないか?」
ここでちょっとした誤解が。
「Wi-Fi callingのサービスが始まるのは今年の3月からです。現在使えるのはアメリカ・カナダ・メキシコだけです」
「そうですか……」
そうなると万事休すだ。
「お客様がアメリカのお店に来ればPINコードがわかり、新たに設定もできる」
仕組みから言っても理屈から言ってもそれが正しいやり方だよね。
「向こうの人が言うには、Wi-Fi callingはもう使えるそうです」
んん? どっちだ? 急に話が変な方向に向いてきた。通訳の人も少し混乱している。
「あちらの言っていることは矛盾しているが、そのまま伝えます」
「Wi-Ficallingは3月にならないと使えないが、日本では使えるはずである」
確かに矛盾している。
どうも、3月からデーターローミングの新しいサービスが始まるらしく、向こうの人はそれと混同してしまったらしい。
「だから、本来であれば日本でWi-Fi callingは使えるそうです」
使えるのか……
にしても、こちらのSIMフリー端末ではやはりアンテナはたっていない。
「実はわたしのスマートフォンはSIMカードを2枚させるんですが、AT&TのものとT-Mobileを挿しているんですね」
「え?」
通訳のかたが混乱している。
まあそうだよね、あんまりしないもの2枚差し。とにかく話を進める。
「で、T-MobileのほうはWi-Fi callingがつながっているんですよ。だからAT&Tのほうに何か問題があるのではないか」
「え? T-Mobileですか?」
明らかに通訳の人が動揺している。そりゃそうだよね、二つのしかも別の会社のSIMをさしているなんてあまりないだろうし。
とにかく通訳してもらう。
「向こうが言うには、T-Mobileがつながっているのはローミングのせいではないかと言っています」
ううむ、確かにそれもありうる。
「わたしもT-Mobileのスマートフォンを持ってるんですけどね」
おお、どうした。通訳が個人的な話をしだしたよ。
「日本に来るとアンテナ立つんですよ」
2対1でわたしが負けてるじゃないですか。
「向こうの言っていることはあり得ますね」
君はどっちの味方だね。まあ技術的な問題に敵も味方もないんですけどね。
しかしこうなると、状況が分からなくなってきた。ただ、言えることはこの電話の参加者3人ではもうできることはないということだ。
「最後に一つ質問よろしいですか、My AT&Tのパスワードを忘れてしまったのですが、どうしたらいいでしょうか?」
「本来であれば、当該SIMをさしている端末にメッセージで新しいパスワードを送ることができるんですが、今あなたのところではそれがつながっていないということなので、新しいパスワードを送ることはできません」
何もかもが駄目である。
「わかりました、質問を終わります」
「何かほかに助けられることはないかと言っています」
「ありません」
「ありがとうございました」
通話終了。全体で2時間ほどかかっただろうか。
何の解決策も得られませんでした。というより、これまで費やしたAT&T関連の時間とお金と労力が無駄であったことがはっきりとしてしまった。
SIMカード7千円(購入代行)、アクティベートと月額基本料で3000円。
今考えれば、SIMの交換を申し出てもよかったかもしれないな。
あと、わたしの新端末として「Umidigi Z2」をWi-Ficalling実験機として導入して、それに2枚差ししているんだけど、確かにWi-Fiを切ったら3GでT-Mobileにアンテナが立った。一瞬、AT&Tの人の言うことが正しいようにも思われたのだが、少しの誤解があった。
Umidigi Z2はdocomoの使用バンドにも対応しており、その意味では純粋なAT&Tの端末とは状況が違う。本来のAT&Tの端末はdocomoのバンドに対応しておらず、その状況ではアンテナが立たない。しかしUmidigi Z2ではローミングとしてdocomoのものを使うのでAT&TのSIMを使ってもアンテナは立つ。
もう一つ言えば、純粋なT-Mobile端末に同社SIMを指せば、Wi-Ficallingのアイコンが出るので、決してローミングでつながっているわけではないことは明らかだ。
電話のときはそこまで頭が回らなかった。
しかしそうなるとできることは限られてくる。この繋がらないSIMをもってアメリカに行く。それかAT&Tの端末にSIMをさしてとにかくメッセージを受信できるかどうかを試すか。
AT&TのSIMには謎が多い。新しい端末に対応していないとか、androidとiOSでは違うSIMを使うとか、ポストペイドとプリペイドのは違うとか、もう情報過多である。T-Mobileだとスターターキット一枚なのに。
考えてみるとわたしの場合、ローエンドプリペイド用スマートフォンに刺してあったSIMを、SIMフリー端末に付け替えたのでその意味でも適合しないのかもしれない。
いずれにせよそのどちらかしかない。
まったく面倒なことになってしまった。
まあでも全部自分が悪いんですけどね。