スズメのヒナが落ちていた

拾ったが、どうしよう……

そこでこのサイトを参考に、まずは保温。

最初は呼吸だけしていて胸だけ動いていたのだが、暖めたらチュンチュン鳴き出した。

さて次はどうする。

このサイトによると、どうやら親に返すのが最良らしい。

ヒナを見た時には「コレは飼わないとアカンかな」と思っていたが、たしかに親に返すのが一番良い。

それにしてもここで死なれたら悲しすぎるので、ペットショップで目白用五摺餌を買ってきて水に浸し、少し練ったものを割り箸の先につけてヒナに食べさせようとしたがなかなか食べない。

一口だけ食べてあとは口を開かない。

しょうがないので小さめのダンボールに、破いた新聞紙を入れてそこにおいておいた。

サイトでは、一度外においてみてヒナがなく声で親鳥がやってくるのを見る、と合ったのでダンボールに入れたまま外に出してみる。

ん? 鳴かなくなった。

手にとって見たら冷たくなってた。いや死んだわけではないのだが、部屋で暖めていた時より断然冷たくなっている。

作戦を中止し、一度部屋に入れる。また鳴き出す。

さてどうしたものかと、再度サイトを見直すと「巣が近くにあってそこから落ちたのかもしれないよ」とのこと。

それではとヒナの落ちていたところ出向いて上を眺めていると、近くの建物の高所に藁のようなものが詰まっているところを発見。

コレだな巣は。藁には多数の鳥の羽が絡まっている。間違いない。

自宅に戻り、もう一度餌を食べさせようとするがまた一口だけ食べてあとは口を開かない。

実は五摺餌はヒナには向かないようである事も書いてあった。違いが分かるヒナだなこいつは。頑として口を開かないヒナを前にわたしは諦めた。ふと下を見るとカーペットに糞が。

このやろー、一宿一飯の恩も感じないやつだな。

でもしょうがない鳥だから。

充分温めてから、返却作業に移る。

実は巣のあるポイント、階段の上部にあり二階の天井部分に近い。しかも外部に開口部がある。つまりベランダから身を乗り出すような格好でないと手が届かない。

わたしが参考にしたサイトにも「高所に巣がある場合はムリしないで、近くに模擬の巣を作ってそこにヒナを置くように、作業中に落下するかもしれないから」とあった。

たしかにそれがベストかもしれないが、天候が微妙であった。おりからの強風で近くのどこにも簡易式の巣を置くことができない。

やむなく、危なくないように身体を保持しながらヒナを巣に戻す。

しかし今思えば、片手にヒナを持って高所に乗り出すって危ないよな。みんなは真似しないように。

ヒナを藁の方に差し出すと、ヒナは自分で藁の中に入っていった。どうやらここが巣であるようだ。

それから鳴き声は聞こえなかったが、わたしとしては自分のできることをしたのだ。すぐその場を後にした。あとは天に任せるのみ。

家には新聞紙が詰められた束生の鳥の巣と、五摺餌だけが残った。残った餌どうすんのよ。