だから磁気カードはあれほど危険だといっているのに……

南アの銀行のデータが利用されて、クレジットカードが偽造され、それでキャッシングされてお金が引き出されてしまったようだ。

実はクレジットカード偽造防止の切り札はすでに普及しているのだ。

それが「EMV」である。すでにセブン銀行ATMでも導入されている。

だから今回は「磁気ストライプ」部分が偽造されたと考えられる。

現在は利用者の利便性を考えて、大半のATMは「磁気ストライプ」と「EMV」チップのどちらも使えるようになっている。

これだとどういうことが起きるかというと、冒頭の事件である。

アメリカでは「磁気ストライプのみの読取り端末しかないお店で生じた『偽造カードを利用した損害』は、クレジットカード会社では損失を補填しない」ということになっている。

ただ、これでもやはり磁気ストライプとEMVチップの共用であるため、偽造カードは防げない。

決定打としては「読取り機をEMVのみとする」しか方法がないのだが、これだとEMVチップが付いていないデビットカードなどは使えなくなってしまうので、悩ましいところだ。