災害・テロ遭遇者に必要「サイコロジカル・ファーストエイド」

こういうものが必要とされない社会が理想だけど、そうもいかない。

大規模災害や無差別テロに巻き込まれた人の「心」を守るために、早い段階で行うことができるのがこのサイコロジカル・ファーストエイドアプローチである。

従来からPTSD等の対象者には、何らかの措置が必要であることはわかっていたがその方法が決まっていなかった。

一時は「無理やり怖かったことを思い起こさせる」ようなことも行われていたようだが、それでは逆効果であることが判明した。

このサイコロジカル・ファーストエイドは一般知識として、誰もが知っていて欲しい。

なぜなら、自分の家族や知り合いが被害者になることが想定されるからだ。

間違った言葉をぶつけて、相手の心の状態をさらに悪くすることは避けたいものだ。

その一例を上げる。

・お気持ちはわかります。
・きっと、これが最善だったのです。
・彼は楽になったんですよ。
・これが彼女の寿命だったのでしょう。
・少なくとも、彼には苦しむ時間もなかったでしょう。
・何か他のことについて話しましょう。
・がんばってこれを乗り越えないといけませんよ。
・あなたには、これに対処する力があります。
・彼が苦しまずに逝ったことを、喜ばなくては。
・我々は生き延びたことによって、もっとたくましくなるでしょう。(That which doesn’t kill us makes us stronger. 哲学者ニーチェの言葉)
・そのうち楽になりますよ。
・できるだけのことはやったのです。
・悲しまなくてはいけません。
・リラックスしなくてはいけません。
・あなたが生きていてよかった。
・他には誰も死ななくてよかった。
・もっとひどいことだって、起こったかもしれませんよ。あなたにはまだ、きょうだいもお母さんもいます。
・この世に起こるすべてのことは、より高い次元の存在が計画した、最善の結果なのです。
・耐えられないようなことは、起こらないものです。
・(子どもに対して) これから、あなたが一家を背負っていくんですよ。
・いつの日か、あなたは答えをみつけるでしょう。

深い悲しみの底にいる人自身がこのようなことを言った場合には、その人の気持ちや考え方を尊重し、受け入れてください。しかし、こちらからこのような発言をしてはいけません。