トルコクーデター雑感その2

そういえば反乱部隊の目的もよくわからないのも今回の事件の特徴だ。

本来であれば、クーデターは「現体制を打倒する」のが目的であるから、それを完遂するような行動を取るはずである。

政権指導者の暗殺、閣僚の暗殺、などである。

ところが今回はそれがない。国会の近くで爆発はあったが、政府関係者に危害が加えられた形跡はない。

それどころか政権指導者が早い段階からテレビに出てきて発言をしている。現体制が倒されていないということを国民は最初から知ってしまった。

一方、国営テレビ局は一時的に占拠されたようだ。

これはクーデターではよくあることで、これは当然の行動だ。反乱部隊が実際より大規模に見せて、より活動しやすくしたり、自分たちの行動を国民に正当化するような情報を流したり、あるいは好意的な反応を招きやすくするような政策を今後取るとのニュースを流したりする。

あるいは、現政権の「ある閣僚」がクーデターに賛同しているという「ニセの」情報を流すことも効果的だ。

しかし今回は、国民に対して何らかの効果的なメッセージを発信するところまではいかなかった。準備不足の感がある。

いったい何がしたかったのだろう。ただ国内を不安定化させるだけの目的だったのだろうか?