「あの日にかえりたい」の檜山ひかるの心情を読み解く

読み解くもなにも、実在の人物じゃないからそれは不可能なんだけれど、この話題で引っ張っちゃってゴメンね。それだけ衝撃が大きいんだわ。

さて、檜山ひかるの気持ちの根幹にあるのは「恋をした(愛した?)男性を振り向かせたい」というものである。

一体これはどんなものだろうと想像したが、そういう経験がないのでとんと見当もつかない。

そういうときはネットである。

元カレが忘れられない、というのがその心情に近いだろうか。

これで調べてみるとちょうどその話題のまとめ記事があり、見てみるとなかなか興味深いことが書かれていた。

もちろん全部信じる訳にはいかないだろうけど、少なくないのが「好きになりすぎた恋人を今でも忘れられない」というものだった。

「(好きになりすぎた人とは別の人と)今は結婚している」という女性でも、このような気持ちを言い表していた人たちがいた。

これについてはいろいろと意見もあろうが、わたしとしては「それはしょうがない」と思う。

種類を問わず「人生での重大な出来事」というのは、その人の生き方に大きな影響を及ぼす。

「異性を好きになる」という感情は強力なもので、かつ幸福感をもたらし、忘れがたい体験である(逆にそれを失ったときの虚無感も強烈なものである)。

そしてそれは人間の自然な欲求の一部である。それを間違いだとか忘れろとか、わたしには言えない。

さて、そのような感情を言い表す人の言葉としてわたしが印象深く読んだのが次の意見である。

「大好きになった(かつての)恋人と言うのは『死んだ家族』と同じであり、忘れるという次元の問題ではない」

これは非常に腑に落ちる言葉である。

家族というのは、死んだとてその存在が消え去るものではない。残された家族それぞれの心の奥底に深く刻まれる。時に意識から消え去ることはあるが、死んだ家族がいるという記憶は忘れられることはない。

大好きになった恋人というのはそういう存在なのだ。

男性がそのような背景を持つ女性を好きになったときは、もう五代くんのごとく「大好きな恋人の記憶も一緒に貰う」ぐらいの気持ちで無くてはならない。

それに嫉妬するのではなく、その記憶についての「強い感情に共感する」。それしかできないだろうし、そうするしかない。