これが男性の願望なのか?「おしかけツインテール」

あらすじ:主人公・新田俊郎は、過去の「ある出来事」が原因で人嫌いになり実家を出て、広い家に一人で住んで引き篭もっていた。ところがある日突然、母の親戚の朝比奈親子と同居することになる。娘である高校生・花梨は何かと新田の世話を焼きたがり……

「おしかけ」とタイトルにはあるが、ヒロインは主人公のところにおしかけていない。むしろ偶然そうなったというべきだろう。

「おしかけ」というのはヒロインが「押しかけ女房的」なキャラクターであるところから来ているのだと思われる。

ヒロインは主人公に対し食事面や家計面でくどくどと説教をするが、言うだけでなく料理や掃除洗濯などはきっちりこなす(しかもそれを苦にしてはいない)し経済観念もしっかりしている。

もはや気立ての良い(気が強い?)妻という風格である。

ほとんど「男のロマン」のような、本当にこんな女性がいるのか? と叫びたくなるような貴重な設定である。しかも高校生だから「若い(男性にとってはここがポイント高いのではないか)」。シミもシワもほうれい線もない。

ヒロインと主人公、買い物中。ヒロインは甘いモノが好きらしい。ちなみに最後のコマ、サイドミラーにヒロインの表情が写っている、細かい!

ついでにツインテールである(調理や特別な行動等にはまとめて縛る)。

現時点では、ヒロインにとって主人公は「若干気になる存在」程度である。嫌いではないが「好き」とはまだ違うようだ。

ではなぜそんなに主人公の世話を焼くかというと「居候させてもらっている手前、主人公の世話をするという」いわゆる「義理」のような意識がそうさせているようだ。

だが、それなのにあんなに説教したり世話を焼いたりするとは、もしかしたら本人(ヒロイン)も気が付かないで主人公のことが好きなのだろうか?

主人公の引き篭もりを気にして、わざわざヒロイン自ら祭りに誘うとかしているし。ただこれもヒロインは「デート」とは意識していない。

それにしてもこれはどう評価してよいか悩む作品だ。

「健全か?」と問われればそうでない気もするし、では「不健全か?」と言われると「いや(多分ほかの作品と比べれば相対的に)健全だろう」と言いたくなる。

事実、主人公は「(わりと)純粋に相手が高校生として輝いているのを喜んでいる」という感じで、兄か父というポジションに近い。

とはいえ、ヒロインの体操着姿を見ての感想が「花梨ちゃんのスレンダーな身体にフィットしてて」「年相応に健康的で良いと僕は思うな!」と拳を握りながら力説して、ヒロインから「褒め方がいやらしい…」と酷評されることもあったりする。

ところで主人公が何歳かがわからない。少なくともヒロイン(15歳か16歳)と10歳は離れていそうだ。主人公自身についての「オジさんくさい」発言からすると、もしかして20歳ぐらい離れているかもしれない。

そこら辺がどう受け止められるかが鍵になりそうだ。

現実社会ではこのような歳の差のある(いわゆる男女の仲のような)関係は、特に女性からは評判が極めて良くない。

本作品が掲載されている「まんがタイムファミリー」の読者層が一体どのようなものかが知りたいところだ。独身男性が多いのか、既婚女性が多いのか?

平成26年の8月頃から現在まで掲載が続いているようなので、評価はよいのだろう。

今後の成り行きに注目したい。