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日本のFeliCa、世界のHCE-F

「HCE(Host Card Emulation)」とは、スマートフォンなどにおいて通常セキュアエレメント(Secure Element:SE)を通じて行われる「カードエミュレーション(Card Emulation:CE)」という処理を、ホストCPU、つまりモバイルOSが動作するシステム上で行う仕組みのこと

FeliCaの規格自体は日本独自のものであるが、それをHCEでも使えるようにしたいというのが「HCE-F」である。

理屈で言えばAndroidの非接触決済機能を用いてFeliCaを利用できるようになる。

ただし……

HCEはその性質上、要求に対するレスポンスは「アプリ」が反応することになるが、HCE-Fではレスポンスを返すアプリが最前面にある必要がある。つまり、使用にあたっては画面ロックを解除して目的のアプリを起動した状態で非接触リーダー等にかざしてやる必要がある。本体をタッチするだけでスムーズに改札やレジを通過したり、あるいはおサイフケータイのように「目的のアプリが自動選択される」ことはない。すべて手動で処理してやる必要がある。複数のHCE-Fサービスが同時に有効化されることはないとのことで、おそらく将来的にGoogleが別の形でHCE-F(で動作するアプリやサービス)をAndroid OSに直接実装しない限りは難しいのではないかと考える。 

この問題はでかいよなあ。つまりスマホを読み取り端末にかざせばよいというわけではなくて、何らかの操作を手動で行わなければ決済を行えないのだ。

もう1つ、おそらく現状のHCE-Fの実装から推察して「電子マネー」としての利用は厳しいということが考えられる。Android Payでの決済はクレジットカード(またはデビットカード)が用いられ、安全性を担保する仕組みとしてトークンが使われたが、この仕組みが採用できたのも内部に「バリュー」を持たずに処理時間もあまり要求されないクレジットカードだからではないだろうか。電子マネーでは内部的にデータとして「バリュー(価値)」を持っており、決済時の処理の高速化と後処理での突き合わせによるデータの完全性を担保している。 

ApplePayなどはクレジットカードを利用することになるが、FeliCaはそれ自体電子マネーとして単体で使用できることが大きな違いだ。まったく仕組みが違うのだ。この違いをどうアプリで解消するのか、それが今後の課題だ。