「KENWOOD Kseries KA-NA7」プリメインアンプ、使用開始から1週間
つい出来心でKENWOOD Kseries KA-NA7とスピーカーLS-NA7をセットで購入してしまった。
Kseries KA-NA7前方から望む。
同上方から。
背後のケーブルがごちゃごちゃしているのはご愛嬌。
サイズ的には100点満点である。
あくまでも「パソコンからの音声出力」を良いものにしたいだけならば、このサイズは非常に助かる。場所を取らないのでちょっとしたスペースに置ける。ただし縦置きはできないので注意。
一方、使用感となると辛い評価をつけざるをえない。
というのも、パソコンからの入力を想定していながらあまりそれを考慮していない作りだからだ。
まずUSBケーブルが付いていない。だからこれから本製品を買う方で、該当するUSBケーブルを持っていない人は何らかの方法で用意しなければならない。
そしてスリープ(スタンバイ)機能が邪魔である。パソコンからの音楽出力が停止しある程度の時間が経つと本気はスタンバイ状態に入る。設定でも常時つけっぱなしということはできない。だからパソコンからの音声出力を止めてしばらくしていると、アンプの電源がいつの間にか切れていることが多い。
かといって、パソコンから再度音声出力を開始しても、スリープから自動的に復帰しない。そうなると本製品の電源ボタンを押すという動作が必要になってくる。
本体がコンパクトであるため、前部操作ボタンが少ない。パソコン接続アンプとして必要なボタンは、実質本体上部についている電源ボタンと全面についている「入力方法切り替えボタン」しかない。これだと様々な設定がまるでできない。これもコンパクトゆえにボタンをあまり多くつけられないのだろう。
リモコンが付属しているが、そこには多数のボタンが有る。リモコンを駆使しなければこのアンプの性能を最大限発揮することは不可能だろう。これもちょっとめんどくさい。本体ボタンだけで完結できるようにしてほしかった。
あと、プリメインアンプとしての補助的な機能が貧弱である。
ハイレゾには対応しているがDSDは再生できない。Bluetoothには対応しているがaptXやLDACまではカバーしていない。
もっともプリメインアンプとしての本製品の性能は高い。高音質のファイルを再生すると、その澄んだ表現に驚く。
これは褒め言葉になるかどうかはわからないが、最初に音を聞いた時「なんか懐かしいなぁ…… そうだ!! これはレコードの音だ」と感じてしまった。新しくなった懐かしい音、とでも言えようか。
非常に素直な音で、無理がない。
あと背面パネル内の出力端子の種類が少ないので、初心者はスピーカー等の接続におそらく困ることはないだろう。最もこれは初心者向けにわざわざそう作ったというよりはコンパクトすぎて出力端子を複数備えられなかったという「スペース上」の物理的な制限がその理由だろう。それでも簡素化されているのはわかりやすいから、言い方は悪いが「怪我の功名」ともいえる。悪くはない。
だからなおのこと前述の貧弱な部分が目についてしまう。
値段だけで見ると、TEACAI-301DA-SPが射程に入ってしまう。
ティアック Bluetooth/USB/DAC搭載ステレオプリメインアンプ Reference 301 スペシャルパッケージ AI-301DA-SP/S
- 出版社/メーカー: ティアック
- 発売日: 2015/08/03
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発売時期は去年ですでに一年ほど経っている。悔しいが性能はこちらが上である。
だからKA-NA7を手放しで皆にすすめるということができない。もしこれが3万円を切ったなら値段的にはおすすめできるようになる。
個人的には非常にもやもやする。超初心者向け…… とも言えない値段であり、だからといって中級者向け…… とも言えない。更に深く音楽を楽しもうと思ってもそのためのオプションがそもそもないからだ。
KENWOODの中の人は、なんでこんな中途半端なものにしたんだろうか?