GoogleVoice電話番号とアメリカ電話番号取得で沼にはまる(その1)-GoogleVoiceとは
GoogleVoiceはその名の通り、Googleが提供する音声通話サービスの一つである。
特定の条件でGoogleVoiceを設定(登録)すればGoogleVoice電話番号を取得できる。言い換えればアメリカの電話番号が与えられる。
GoogleVoice電話番号の最大の利点は、そのGoogleVoice電話番号にアメリカの固定電話番号やアメリカの携帯電話番号を紐づけることができるということだ。いわばGoogle版転送番号ともいうべきものである。
このGoogleVoice電話番号の秀逸なところは紐づけされた電話番号との関係性だ。
例えで考えてみよう。
Aくんは、最初にGoogleVoice電話番号として(xxx)xxx-xxxxというものをもらったとする。
そのあとAくんは渡米し、アメリカのプリペイド式携帯電話を買った。日本の携帯電話のローミングでは料金が高いからである。
携帯電話のアクティベートが完了すると、プリペイド式系携帯電話(以降「α」という)に電話番号が新たに付与される(詳しく言えばSIMにあるのだろうが)。それは(zzz)zzz-zzzzだとする。その番号をGoogleVoiceに登録する。
実は、Aくんには日本に恋人「Bさん」がいて、いつでも電話連絡を取りたいと考えていた。それでAくんは日本にいるときに、Bさんに「アメリカでの電話番号は(xxx)xxx-xxxxだよ」と伝えておいた。
BさんはAさんに電話をかける。その電話番号は(xxx)xxx-xxxxである。ここでGoogleVoiceが活躍する。GoogleVoiceはBさんからの電話を転送して「α」に着信するようにする。
通話終了後にAくんはあることに気づいた。αの電話料金が高いことに。そこで今度は別の携帯電話会社のプリペイド式電話(以降「β」という)を買ってアクティベートした。ここでは(yyy)yyy-yyyyという電話番号が付与された。
AくんはまたGoogleVoiceにβの電話番号(yyy)yyy-yyyyを紐づける。
さみしがり屋のBさんは、またAくんに電話をする。かける電話番号は(xxx)xxx-xxxxである。Aくんの電話番号は(yyy)yyy-yyyyに変わっているのだが、グーグルVoiceが転送して(xxx)xxx-xxxxのβ携帯電話につなげてくれるのだ。
その後、AくんはBさんは分かれようとした。AくんにはBさんの愛が重かったのである。
「なんで! ほかに恋人ができたの! 捨てないで……」
Bさんは、電話でAさんに懇願した。
Aくんは、そんな発言を電話で繰り返すBさんが怖くなった。
それでAくんは携帯電話を変えた。
アメリカに長期滞在することになったことになったので、後払い式携帯電話に変更した。それに伴い番号は(zzz)zzz-zzzz(以降「γ」という)に変わった。
だがAくんはいつもの癖でGoogleVoiceに(zzz)zzz-zzzzを紐づけてしまう。
夜、 γ携帯電話が鳴る。非通知である。IP電話サービスを使っている友達だと思い、電話に出てしまう。
「何で電話に出ないの……」
さめざめと泣くBさんのγ携帯電話越しの声を、Aくんは引きつった顔をしながらただ聞いているしかできなかった……
(殺すしかない)
GoogleVoiceの転送から逃れられないAくんはそう心に決めた。
このようにGoogleVoice電話番号があれば、どれほど電話番号を変えても設定さえしていれば相手はあなたにいつでも連絡が取れる。
もちろん単体として利用するにしても有効である。SNSとしても使えてメッセージも送れるし、電話番号が必要な認証のためにも利用できる。
だが残念ながら日本からの設定では、電話番号を取得することはできない。
なぜならGoogleVoice電話番号を取得するための設定の一つに「アメリカの電話番号」が必要だからである。日本に住んでいて、アメリカに居住することもない者が「アメリカの電話番号」を取得することは不可能に近い。
実はGoogleVoiceが登場した当時、スマートフォンの無料SNSアプリを使ってアメリカの電話番号を取得して、それを登録すればGoogleVoice電話番号はもらえた。だが今はそれがふさがれてできなくなっている。
根拠はないが、アメリカの固定電話番号かアメリカの携帯電話番号がないと無理だろう。
だけどGoogleVoiceが日本で使えないからと言って落ち込むこともない。
純粋な音声通話の機能だけ使えればいいというのであれば、ハングアウトで代替できる。相手がハングアウトをインストールしていれば無料で通話できる。
もし日本の電話番号にかけたいと思うのであれば「ハングアウトダイヤル」というアプリをインストールすれば、可能になる。ただしそれは別途電話料金が必要である。これは前払い式でありGoogleVoiceアカウントにチャージすることによって可能になる。
一つ問題があってそれは、こちらの電話番号の表示があまり正確ではないことだ。どうも通過する回線の影響でうまくいかないらしい。どうしても相手にはっきり「自分からの発信であること」を知らせたいのであれば、やはり相手にハングアウトをインストールしてもらうしかないだろう。そうすれば自分の名前がはっきりと相手の画面に出る。
さて、ここからが本題なのだが、GoogleVoice電話番号を取得するために、アメリカの携帯会社携帯電話を入手し、それをアクティベートして日本に居ながらにしてアメリカの電話番号を取得しようと思い立ったのである。
長くなりすぎたので次回に続く。