GoogleVoice電話番号とアメリカ電話番号取得で沼にはまる(その4)-T-MobileのSIMを使えるようにする・後編

それは急に表示された。下記のページの出来事である。

https://prepaid.t-mobile.com/contact-us

ふとT-Mobileサイト画面の右下を見ると、そこにchatと書かれた〇で囲まれたアイコンがひょっこり現れたのが見えた。

これが表示されたのは、午後10時ごろだったと思う。おそらくチャットによるサポート時間が決まっているのだろう。

 

すぐにアイコンをクリックする。

なにやら文字が書いてある。

Google翻訳にかける。

「何か問題がありましたか?」

そんな内容だったと記憶している。

プリペイドアクティベーションがうまくいきません」

これを英語に翻訳して、コピー。チャットにペーストする。

ジェニファーがタイピング中、と表示される。

その間にわたしは以前のチャットのことを思い出していた。

数年前、T-MobileSIMカードアクティベーションをしようとしたがうまくいかず、解決策を探ろうと今日のようにT-Mobileのサイトを探索していた。

当時からチャットがあり、わたしはこれ幸いと翻訳した文字をペーストした。

(仮)ジェシカ「何かありましたか?」

わたし「アクティベーションがうまくいかなくて……」

(仮)ジェシカ「それならば、xxx-xxxxに電話をしてください」

わたし「すいません、日本人なんですけど英語ができないんです」

「チャットが終了しました」

なんで? 驚いたことにチャットは唐突に終了した。それも向こうから切られるという形で。

しかし何らかの手違いかもしれない。

すぐさまチャットをこちらから再開した。

(仮)ターニャ「何かご相談ですか?」

先ほどと同じ説明をする。そうするとやはり向こうから一方的に切られてチャットは終了した。

どうも外国人の案内はできないようであった。

 腹立たしいとは思わなかったが、なにもいきなり切らなくてもと、少し落ち込んだ。

そんなことを思い出しながら、ジェニファーが文字を打ち込むのを待った。

ジェニファー「それならば、スペシャリストがおりますので電話でご案内します」

わたし「e-mailアドレスを教えてくれませんか? それで事情を説明したいのですが」

ジェニファー「国際的なメールアドレスが無いのです」

まじか!

どうりで、サイトを隅から隅まで眺めても見つからないはずだ。

T-Mobile対外用のメールアドレスなし。

ジェニファー「詳しいことはエキスパートが電話でご説明します」

またこれか…… 少しがっかりしながらも、いくらかでも情報が得られればと思いチャットを続ける。

わたし「私は日本人なので、英語が話せません」

ジェニファーがタイピング中です……

さあ、どう出るか…… 

ジェニファー「わたしの部署にはいませんが、別の部署には翻訳者がいます」

まじで!

わたし「ぜひ連絡を取りたい」

ジェニファー「1-505-998-3793に電話してください、そちらでご案内いたします」

わたし「わかりました、電話してみます」

ジェニファー「お客様をご案内出来たことをうれしく思います」

お、おう。なんか昔と全然違うな。

ジェニファー「さようなら、ありがとうございました」

チャットはこちらから退出した。

さっそく、案内された番号にかけてみる。国際電話になるが、こんなこともあろうかとハングアウトには入金しておいたのさ。

ハングアウトダイヤルで、当該番号に架電する。

「ペラペラペラ」

oh-......

英語です。話が違うじゃないですか、ジェニファー。最初から日本語わかる人が出るとばかり思ってたよ。

ただ自分でも以外に思ったが、別段慌てなかった。ただ英語が話せるわけではなかったので……

ジャパニーズ、ジャパニーズ。アイキャンスピークイングリッシュ。

そうしていると、保留の音楽が流れた。

少し落ち着いて考えてみると、パソコンを立ち上げているんだからそこで翻訳した英語を流せばと思ったが、時すでに遅しである。

少しポーッとしながら待っていると、電話口から日本語が聞こえてきた。

「もしもーし」

「あっ、はい」

(仮)ジョン「わたし通訳です」

「よろしくお願いします」

「わたしが、聞いたことをスタッフに伝えますので…… お問い合わせのご用件は何でしょうか?」

「あっ、はい、わたしプリペイドSIMカードをアクティベートしようと思ったんですが、サイトでうまくいかなかったので、解決法を聞かせていただきたいのですが」

ジョン「ペラペラペラ」

ここで突然英語を話す女性の声がした。

(仮)マム「ペラペラペラ」

どうやら3者会議システムような格好になっているようであった。ジョンが女性に話しているときは、彼女のことを「マム」と呼んでいたのでそういうことにする。

ジョン「では、電話でアクティベーションを行いますので、SIMカードナンバーを教えてください」

わたし「はい、zzzzz zzzzz zzzzz zzzzです」

19桁もあるので、間違えないように慎重に言う。

ジョン「アー zzzzz zzzzz……」

マム「ペラペラペラ」

ジョン「10桁のアクティベーション番号を教えてください」

ん? 10桁の番号? それらしきものが取扱説明書の中に印字されていたな。

 

よく見るとそれは11桁。まあいいや、ほかに該当しそうなものはないし読むことにする。

わたし「xxxx xxx xxxxです」

ジョン「アー、マム。xxxx xxx xxxx」

マム「ペラペラペラ」

ジョン「このSIMカードはいくらでしたか?」

え、そんなことまで聞くの?

わたし「10ドル、いや20ドルでした(間違って送料まで含めてしまった、正しくは10ドルである」

ジョン「アー、マム……」

マム「ペラペラペラ」

ジョン「郵便番号を教えてください」

わたし「12345です」

ジョン「アー、マム…… zip code 12345」

マム「ペラペラペラ」

ジョン「料金プランについて説明します月30ドルの……」

と説明が入るが、わたしは月3ドルのしか考えていなかったので……

 わたし「月3ドルのがあったはずですが、それでお願いします」

ジョン「アー、マム……」

 マム「ペラペラペラ」

ジョン「月3ドルのプランについて説明します……」

ジョン「……そして10ドルがかかります、できるだけ早く入金をお願いします」

おそらく、これはウェブ上でできるはずだ。

わたし「わかりました」

ジョン「この電話が終わりますと、電話にメッセージが入ります、そこに電話番号と必要な料金が書かれています、これで説明は終わりますが……」

ジョン、終わろうとする。

待ってくれジョン、まだやり残したことがあるんだ。

わたし「すいません、Wi-Fi callingというWi-Fiで通話できる設定があるはずなのですが、それについてもお願いします」

ジョン「アー、マム……」

 マム「ペラペラペラ」

ジョン「ストリート番号を教えてください」

これはおそらくWi-Fi callingの設定のために必要なものだ。Wi-Fiだと位置情報がわからないので、あらかじめ住所を登録しておくのだ。

わたし「11111です」

ジョン「町の名前を教えてください」

町の名前? あるけど読めないよ。

わたし「あぼーで?(適当)」

ジョン「スペルでお願いします」

そうだよね。

わたし「abcdeです」

ジョン「アー、マム……。アルファー・ブラボー・チャーリー」

おお、フォネティックコードだ。本当に使うんだ。

 マム「ペラペラペラ」

ジョン「使えるように設定しました、できるだけ早く入金をお願いします」

ジョンよ、やたらと入金をせかすね。

ジョン「これで終わります」

わたし「ありがとうございました」

通話終了。

それからいくらも間を置かず、電話にメッセージが届いた。

そして画面の右上にWi-Ficallingが可能になったことを示すアイコンが現れた。

やった! アクティベーション完了だ!

なんと感動的であろうか! 極東の島国のド田舎の奥地で、T-Mobileのカバー外だというのに、電話回線がつながっているのだ。本当に不思議だ。

そしてWi-Ficalling。わたしが期待した通りの働きをしてくれた。

長くて険しい道がようやく終わった。午前1時を回っていた。だが高揚しているせいか眠くはなかった。

後で調べると「1-505-998-3793」は、国際ローミング担当部署の電話番号であった。なるほどそれなら日本語通訳がいてもおかしくない。

それにしても、ジェニファーナイスアシストである。そういうマニュアルがあるのか、それともジェニファーの機転なのかわからないが、いずれにしてもT-Mobileはもう以前のようではなかった。

終始優しい感じであり、(仮)ジョンも落ち着いて暖かい話し方をしていた。まったく緊張することが無かったのは、ジョンのその態度のせいかもしれない。

ちなみに、電話料金はかからなかったと思う。ハングアウトの画面に「電話料金無料」と表示が出たので。

ここで電話番号が付与されたので、ようやく「My T-Mobil」の設定の完了が可能になる。じつはこの設定「電話番号」が無いと完了できない。アクティべーど出来て電話番号が付与されて、そこで初めてMy T-Mobileに電話番号を入力してください、の設定に入力して完了する。ここに到達すると自分用のダッシュボードのような画面が表示される。ここで入金手続きをすることができる。

クレジットカードのみでペイパルはない。JCBは使えないが自分が使った限りでは日本で発行されたVisaデビットカードで簡単に入金ができた。なお、ここで「これぐらい入金するとアカウントが〇〇日延長できるよ」という表示が出て分かりやすい。15ドル以上の入金で90日のアカウントの期限を延長できる。ただ2回目の入金によりその最終的な期限がどう変動するかはわからない。

それでまとめとして言いたいのは、T-MobileのSIMを買ってアクティベートできない方がおられるのであれば、「1-505-998-3793」に電話してみたらいいんじゃないかということだ。

もしかしたら、アクティベートができるかもしれないし、それができないとしても代替案を聞けるかもしれない。わたしのようにウェブの登録に失敗した人もいるかもしれない。そのことも聞くことができるだろう。

いろいろと情報を集める中で、アクティベートができず失敗したという状況が発生している様子の意見を目にした。

まだアクティベートに望みを持っていて、諦められないという人がいるならばぜひチャレンジしてみたらどうだろうか。相手も客商売なので、ちょっとぐらいおかしなことを言っても笑ったりはしない。わたしの場合も終始ジョンは穏やかながらも真面目に話を聞いてくれた。そしてそれを的確に理解した。

何の前準備もなしに話し出したわたしが、問題をを解決できた(というか、ジョンとマムに助けてもらった)のだ、この文章を読んているということはT-MobileのSIMのアクティベートの情報を求めているということになる。

もしうまくいかなくてもあきらめることはもうないのだ。一歩踏み出して電話してみることをお勧めする。

うまくいかなくても、話のネタにはなるだろう。