日本の航空会社における(国際線)運航時の電子機器の使用について
わたしがもし外国に行くのならば、そのときはアメリカの携帯電話会社の回線を利用するだろう。そのために無駄になるのにスマートフォンを収集している。さすがにお金が無くなるので格安端末だが。
もう一つ試したいのは「Google Fi」は本当にシームレスか? ということの確認である。
そこで問題になるのが、航空機においてこれらの「電波を発する電子機器(以下「電子機器」という)は、どのように使えて、そして使えないのかという点だ
そこで日本を代表する二つの航空会社のサイトを調べたのだが……
見やすいところにはなぜか情報が無い。
検索を使ってようやく判明した。
そのまえに、航空機における電子機器の利用については近年大きく変化したことをご存じだろう。国土交通省にはそのことについてこう記載がある。
【報道資料】
航空機内における電子機器の使用制限を緩和します。
このたび、欧米において航空機内における電子機器の使用に関する方針が変更されたこと等を踏まえて、航空機の安全な運航を確保しつつ、旅客の利便性を向上させるため、この制限を見直し、本年9月1日から使用の制限を緩和いたします。
有名な「欧米か!」というセリフが出てしまうが、そっち方面からの動きが無いと、変化が無いという、日本の省庁の行動思考をよく表している。
それは置いておいて、上記の「本年」というのは2014年をさすので、このような方針になってからもう5年も経つのだ。
さてそれぞれの会社はどのようにこれを当てはめているのだろうか。
JALグループは、2014年9月1日からの航空法に定める「安全阻害行為等」に関する大臣告示の改正にともない、国の定める航空機の電波耐性確認要領に従い航空機の安全に影響のないことを確認のうえ、機内での電子機器の使用を次のとおり変更いたしました。 使用が制限される電子機器は、飛行機のドアが閉まり、客室乗務員からの案内がありましたら、機内モード等の電波を発しない状態とするか、電源をお切りください。違反した場合には、50万円以下の罰金が科せられることがあります……また、お預けになるお手荷物のなかに電子機器……を入れる場合には、あらかじめ電源をお切りください。
固い、固いよ日航。さすがにこれだけではわからないので、続けてイラストでどのように使えるかについては例示がある。
日航においても、後述する全日本空輸においても電子機器は2つの種類に分けて考えている。
一つ目は「電波を出す電子機器」。代表的なものとしてスマートフォンがあげられる。
二つ目は「電波を発しない電子機器」。代表的なのはデジタルカメラが挙げられる。
これら二つは「使えるとき」について差がある。
→飛行機に搭乗〇
→飛行機のドアが閉まる(客室乗務員はそのことをアナウンスする)×
→タキシング・離陸・上昇中×
→飛行中×(ただし機内Wi-Fiサービスに接続することは認められる)
→降下・滑走路に着陸×
→滑走路から離れて地上滑走中・降機〇。
……となる。
次、デジタルカメラ。
搭乗から降機まで全部で利用可能。
……との差がある。
なお、国交省の上記の記載では着陸時にかかる「電波を出す電子機器」の使い始めてよいタイミングについてはこうある。
着陸の後、滑走路を離脱し誘導路に入った時から、全ての電子機器が使 用可能となります。
注)誘導路がない空港については、着陸の後の滑走が終了し駐機場に向かった時
着陸したあと機体が誘導路に入ったら、駐機前でもスマートフォンを電話回線に繋いでよいということになる。
ここで「飛行中にWi-Fiを利用する通話についてはどうなの?」 という疑問がわくがそれについては……
なお、機内での携帯電話の通話は、ほかのお客さまのご迷惑になりますのでお控えください。
となっており、マナーとして「使うのはやめてね」ということである。
これだと、トイレ内においてはこっそりとWi-Fiを使った通話できそうではある。もちろんこれは航空機の外に電波を発しているわけではないので法的に違反ではない。
次、全日本空輸の場合。
通信用の電波を発信する状態の電子機器について
出発時「飛行機のドアが閉まった時」から「着陸後の滑走が終了する時」まで、ご使用になれません。飛行機のドアが閉まりましたら、電波を発しない状態(設定)にするか、電源をお切りください。 客室乗務員がアナウンスにてお知らせいたします。
- 着陸後の滑走が終了し、客室乗務員からのアナウンス後は、すべての電子機器がご使用になれます。 飛行機の電波に対する耐性の関係で、ご搭乗になる機材によって、電子機器の使用制限対象が異なります。ご搭乗になる機材をご確認ください。
全日空では上記の「電波を発しない状態(設定)」についても解説している。
電波を発信しない状態(設定)について
電源をON(入)にしていても通話やメールの送受信機能がOFF(切)になっている状態を指します。
携帯電話(スマートフォン含む)やPHSなどは、電源を入れた際自動的に自分の位置を基地局に伝えるために通信用の電波を発します。
機器によっては「機内モード」「セルフモード」「電波OFFモード」「オフラインモード」「フライトモード」「パーソナルモード」などの機能(名称は各社異なります)が装備されており、電話やメール送受信、インターネット接続等の電波を発する以下のような機能を無効にすることができます。
・携帯電話通信機能(通話、メールなど)
・無線LAN機能(メール、インターネットなど)
・Bluetooth機能
(無効になる機能の内容は機器により異なります。詳しくはお使いの携帯電話会社にお問い合わせください。)
マナーモードは着信音や振動等に関する設定を指し、上記設定とは異なります。「圏外」と表示されている場合は、通信用の電波を発している状態です。
※通信用の電波を発する電子機器は、飛行機のドアが閉まりましたら、電波を発しない状態(設定)にするか、電源をお切りください。
よくわからない場合は、電源を切るほうがいいね。
この「機内モード」。恥ずかしながら最近までこの機能の使い方で「まったく電波を発しないモード」と「Wi-Fiだけ使えるモード」というのを使い分けることができる、ということを最近知った。完全に電波をシャットダウンするためだけに使う(というかそれだけにしか使えない)と思ってた。
飛行中であるなら、Wi-Fiだけ使えるモードにしておけばよいということだ。
なお、全日空においては機材(機体)によって、電子機器の制限に違いがある。
B787、B777-200/-300、B767-300(Wi-Fi装着機*)、B737-700/-800、A321、A320、Q400
機器同士のBluetooth接続(ワイヤレスマウスやワイヤレスヘッドホン等)やWi-Fi接続(電子ゲーム機等)は常時ご使用になれます。また、機内無線LANシステムを装着している機材では、必ず「電波を発しない状態」に設定したうえでご使用ください。なお、無線通信の対象が「航空機外」とならない場合に限るため、モバイルWi-Fiルーターや公衆無線LAN等への接続はご使用になれません。
常時使えるというのが気になるな。日航ではドアが閉まってから離陸上昇中は、一切電波発信はならぬというわけだけど、全日空ではそのような制限が無いようにも読める。
※機内における無線通信は不可です。機器同士のBluetooth接続(ワイヤレスマウスやワイヤレスヘッドホン等)やWi-Fi接続(電子ゲーム機等)はご使用になれません。
これちょっとわかりにくいなぁ…… B767-300やB737-500はいつ何時も使っていけないのか、飛行中にWi-Fiを使ってよいのか、そもそもこれらの機材にはWi-Fiサービスを行うための機材が搭載されていないのか…… 客室乗務員に聞かないとわからないな。