緊急手術!! 角膜鉄片異物除去
ちょっと牧田さおりっぽいタイトルだな。
グラインダーで作業していたら目に違和感が出てきた。日中はそれほどでもなかったが夜に入ったら痛くて涙がポロポロ出てくるようになった。
ネットで調べると、どうやらほおっておいては良くないものらしい。だが今はもう病院は閉まっている、やむなくそのまま眠る。
朝起きると、昨晩よりは痛みは収まっていたがやはり痛いことは痛い。
意を決して眼科へ行くことにした。
実は以前にも同様な症状でこの病院にかかっていたのだが、そのときは特に異常はなかった。なんとなく目の中がゴロゴロしているだけだった。
そんな訳で今回も簡単に終わるだろうと思っていたがさにあらず。
目を調べる機械に顔を載せ、先生が診察を始めると「あー2個刺さってますね」との発言が。「えっ?」と思うまもなく、さらに診察は続く、目を上下左右に動かし、最後に上瞼をめくった瞬間「あーここにもあるね」といい、綿棒で鉄片手際よく取り除いた。
一番違和感があったのが上瞼だったので、これで済んだのかとおもいきや先生が「刺さっている鉄片が錆びてきているので目を削って取らなければいけないです」とおっしゃった。
(え? 削る? 目を?)
困惑しているわたしをおいて行ったまま、自体は急展開していく。
先生「緊急手術」
看護師「じゃあ緊急手術するから隣の部屋に行きましょうね」
わたし「はい…… 」
なにが何やらわからないままとなりの部屋に移動を開始する。その部屋に入り椅子に座ると早速看護師さんが書類を持ってくる。
看護師「緊急手術になりますからこの同意書にサインして捺印してください、あとこれがこれから行われる手術の概要です」
手術同意書と、手術の内容が示されたプリントが手渡された。
えらいことになった。
看護師「先生の説明を聞いたということを示すサインと、手術に同意したというサイン、この2カ所に記入お願いします」
黙って書き込み、右の人差し指で捺印する。
そして麻酔のための目薬をさす。
そうこうしているうちに、先生が入ってきて
先生「はい、じゃ取り除くための手術しますね」
先生「目を動かさないようにしててください」
先生の手にはプラスチック製と思われる細い付箋のようなものが握られている。
わたしは観念して、目の前に見える「ある場所」を凝視して動かさないようにした。
先生の手にある付箋が目に近づいてくる。どうやらそれで削るようだ。
それが目に触れた感じがしたが痛くはなかった。あくまでも「目にプラスチックの付箋があたった」という感じである。
先生「もうちょっと我慢して目を動かさないでくださいね」
2カ所目の部分に付箋が触れる。
これもあっという間に終わった。
全体で3分もかからなかったと思う。先生の腕もよかったのだろう、手間取っている様子は微塵も感じられなかった。
この後のことはあまり良く覚えていない。もしかしたら感染防止のための目薬を刺したかもしれない。
これで手術は終わり、会計ということになった。
その時から目が痛くなってきて涙がでるようになってきた。おまけに鼻水も出てきた。あらかじめ持ってきておいたハンカチで涙を拭う。
診療費を払い近傍の薬局に向かう。その間も涙が出てくるのでハンカチで目を抑えておく。傍から見たら悲しい人だと思う。
薬局に向かうと、ここで手持ちの現金が少なくなっていることに気づいた。まさかこんな大事になるとは思っておらず6千円しか持ってきていなかった。
診療代は4,510円。残りは約1500円だ。
恐る恐る受付のお姉さんに「すいません1000ぐらいしかないんですけど、これ(処方箋をさし出し)足ります?」と質問する。
お姉さんいわく「十分足ります」とのこと。
安心してしばらく待つと、別の女性がわたしの名を呼んだ。
薬剤師「今日はどうされましたか」
なんか間の抜けた用な質問をするなと思いつつ、先ほど渡された手術概要のプリンをと差し出し「これ」とだけいう。なんか無愛想な人になってしまったが、目が痛くなってそれどころではなかったのだ、許してくれ。
薬剤師さんは、そんなわたしの気持ちを知ってか知らずか淡々と2種類の点眼薬と軟膏についての説明をした。点眼は1日4回はよかったが軟膏には不思議に思った。
軟膏? 目に軟膏を塗るの? 思わず聞いてしまったが、目に塗るというよりは下瞼に塗るということであった。
全部で500円程度であった。
全体で約5000円、これを高いと見るか安いと見るか難しいところだ。
家に戻り目を見てみると一部が周りより凹んでいるところがあった。ここを削ったようだ。
目の痛みは手術当日の夜まで続いた。
いずれにせよ「グラインダーで金属を削るときはゴーグルをつけよう」というごくあたりまえの教訓を学んだのであった。
ご安全に!!