プリンセスナインとあの日にかえりたいと望月監督

 上記はフランス版、日本方式(リージョン)で再生できるか不明。

「あの日にかえりたい」とは、「きまぐれオレンジ☆ロード」を原作というか原案とする劇場版アニメ(1988年・東宝)のタイトルである。

望月監督は、プリンセスナインでもちょこっと三角関係を描いているが、「あの日にかえりたい」のそれは群を抜いている。つくづく望月監督は愛憎と嫉妬による恋愛ドラマが好きなのだなと確信する作品。

なんというか、論評をするのがためらわれる。

個人的には「一つのお話」としては興味深く見たし、作画監督である後藤真砂子さんの絵はとても美しく、きまオレのアニメとしては頂点に達した出来ではないだろうか。そのためアニメ版としての鮎川の最高傑作とも言われている。

本作のヒロインである檜山 ひかる役の原えりこさんの演技も、さすがと唸らさせる。当然後藤さんの描くひかるもとても可愛らしいが、それだけ切なさも高まる。

はっきり言ってしまえば三角関係に決着をつけたのだが、それまでの過程がすさまじいのだ。確かにリアルにそれを描けばそうなるなというしかない。緩やかな三角関係の持続などありえない。高校生から大学生へと移りゆくわけだからその心理面での成長を考えても当然の成り行きかもしれない。

今この記事を書いていて気づいた。「悲しみの余韻」に浸りたい人向けなのではないかこの作品は。

今は悲しくても、一緒に明日をつかもうぜ。

そういう気持ちになれる…… かな?

でも日曜日に見ちゃいけないね。