Google Fiのエクスペリエンス

Google Fi専用端末を何にするか。これは非常に難しい問題である。

Use your own phone with Google Fi - Google Fi Help

上記のページで「Designed for Fi models」というのが筆頭に挙げられているがこれは「Google Fi用に設計された端末」というカテゴリーのものである。

Googke Fi用とほかのものとは何が違うのか。それはGoogle Fiのサービスを全て使えるか、そうでないかという差である。

Google Fiのサイトでは以下のものがサービスとして挙げられている。

 What to expect

    1. 4G LTE speeds + unlimited calls and textsIncludes 24/7 human-to-human support
    2. No roaming fees in 170+ destinationsEnjoy the same data rates and free unlimited texts abroad
    3. Even more security and network reliability

      With Fi's Network Tools, phones designed for Fi can:
      • Stay on the best connection by transitioning among multiple networks
      • Automatically connect to secure, high-quality public Wi-Fi networks
      • Switch faster from Wi-Fi to data when Wi-Fi is poor
      • Protect sensitive information through a Fi VPN
      • Make Wi-Fi calls
      These settings can be turned on or off at any time.

      Switch among networks for an even more reliable connection, secure your data with a Fi VPN, and more

 以下、機械翻訳による。

どんないいことがあるかな?

A.4G LTEによる高速通信。20$定額による無制限の通話とSNS。24時間のサポート。

B.170以上の国や地域において、国際電話料金なしで通話できます。またデータの利用料金も変わりません。安心して国内外問わずデータのやり取りができます。

C.接続先とネットワークが、高いセキュリティで守られています。

   Fiのネットワークツールを利用した場合……

    a) Wi-Fiの電波が弱くなったら、素早く4G LTE回線に切替え。

    b) Google Fi VPNにより、通信内容が保護されます。

    c) Wi-Fi calling(Wi-Fi通話)機能により、Wi-Fi上でも電話が可能に。

   これらの機能は、いつでも自由にオン・オフを切り替えられます。   

  複数の回線が存在する場合、最適なものに接続しそれを維持します。そしてより安全で高品質のWi-Fiネットワークに自動で接続します。

……となろう。

Google Fiでは、確認済みの端末としてAppleSamsung、LG、MotorolaHuawei、OnePlusのものの一部を掲載している。

しかしこれらは、あくまでも上記のサービスの一部を利用できるに過ぎない。すべてかつ完全に利用できるのは一握りの「Designed for Fi models」だけなのである。

いわば専用機である。その数たった13。

これを入手するのが、そもそも難しい。アメリカ在住者向けのサービスであるため、端末が北米向けに限定されている。

正確を期するとやはり「Designed for Fi models」としか言いようがないのだが、Google Fi SHOPのものは若干割高である。そしてアメリカ以外で購入できるかが未知数である。

それ以外で手に入れようとすると、北米版のSIMフリー端末しかその手段がない。

SIMフリーだったら北米版でなくてもよくない?

そう考えたわたしは、Google Fiサポートにメールしてみた。そうしたら「違う」という答えが返ってきた。特に4GからWi-Fiまたその逆もあるだろうが、その切り替えの働きが専門機でないとだめなのだそうである。

たしかにGoogle Fiの肝はより良い回線を求めて華麗に切り替えをするというところであり、実はこれこそが多くの端末に欠けているものなのである。上記の説明で言うAとBはなんとかカバーできているが、Cだけは利用できない端末がほとんどである。

ただちょっと不思議なのは、Google Fiの機能が使えるかどうか見分けられるページがあるのだが、Motorola Moto G6においてはアメリカキャリア版であろうが国際版であろうが、そのほかの(例えば日本版)ものであっても、すべての機能が利用できます、となっている。

この点も指摘して問合せしたのだが、やはり「完全に機能を使いたいのならば北米版一択」という答えが返ってくるのであった。

ハードは一緒でも、販売国によってあるいはインストールされているソフトのバージョンによってGoogle Fi的には違うものであるという説明であった。

個人的には「使えると言っていたのに使えないじゃないか!」ということを避けるために、確実に作動するものだけを勧めているとも思えるのだが、真相は不明である。

じゃあしょうがない、素直に「Designed for Fi models」を使おうということになるのだが、今度は値段の点で具合が悪い。

Pixel3においては700$であり、高すぎる。一番安いものでもMoto X4の200$である。

消去法で行くとMoto X4になるのだが、いかんせん2017年発売であり少し古い。時期も時期だけに画面サイズも5.2インチと少し小さめである。とはいっても、Google向けに作っているだけに基本性能は高い。その意味では今もその価値は高い。新しいAndroidのバージョンに更新されるということが約束されているので日本においてもいまだ4万円という高値で取引されている。

そうなると、残りはMotorola Moto G6ということになる。ただ、その性能が凡庸なのである。画面サイズが5.7インチというのはいいとしてもこれといって特筆すべき点が無いのだ。

そして北米版というのがまた厄介なのだ。アメリカの携帯電話会社の回線を使うことを大前提としているため、日本のものに対応していない。代表的なものとして4G LTEのバンド19だろう。高級機Pixel3になると、ありとあらゆるバンドに対応しまさに万能ともいえるがMoto G6だと、対応していない。

じゃあ日本版を使えばいいじゃないかということになるが、前述のGoogle Fiサポートのかたの話によれば、それではだめなのである。

Google Fi用の端末として買ったのに、機能の一部が使えない…… それでは本末転倒である。

そのようなわけで、どうしてもほかのものに目が行ってしまう。