「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」検証関連記事を追う(その1)
Windowsは音が悪い。その原因を突き止めたのがこの記事である。
ありぱぱ氏(サウンド・オーディオ関連のプログラム開発を行なっているフリーのエンジニア)と話をしてみると、これはピークリミッタが効いているための現象とのこと……どうしてピークリミッタなどが設置されているのか? それは、Windowsでは複数のソフトを同時に鳴らすことができるようになっているからだ。複数ソフトから音が入ってきた結果、ピークを超えてクリップしてしまうのを避けるために入れているようなのだが、1つしか鳴っていなくても、強制的にかかってしまうというのは問題。しかも、音質的に丁寧な処理がされているわけでもないから、明らかに音が濁ってしまうのだ(2012年 11月 26日)。
【藤本健のDigital Audio Laboratory】第528回:「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」を検証 - AV Watch
この時点でのまっとうな(?)解決法も同記事で述べられている。
こうした音の劣化・変化を分かっている人たちは、こうした現象を避けるためASIOやWASAPIを使っている。プラグインを組み込まなくてはならないので多少面倒ではあるが、プレーヤーソフトとしてfoober2000やWinAmpの人気が高いのはこのためだろう。
藤本健氏の検証はまだ始まったばかりである。藤本氏の願いは一つ「素のWindows機で良い音を出したい」というものだ。だがその道程は長く険しいものとなる。
自分のための専門用語解説。
- MMEドライバ 。
MMEドライバというのは、Windowsのごく標準のドライバを指しており、コントロールパネルのマルチメディアを開いて扱える通常のオーディオドライバのことを意味しています。このMMEというのはMultiMediaExtentionの略であり、もうあまり聞かなくなりましたが元々はWindows3.0時代にWindowsの拡張用として登場したマイクロソフトの規格なのです。
- ASIOドライバ
ASIOドライバというのは、CubaseSXやCubaseVST、WaveLabなどを開発するSteinbergというドイツのソフトメーカーが生み出したオーディオのドライバのことで、非常に性能がいいということで、DTMやデジタルレコーディングの世界において急速に広がり、すでにデファクトスタンダードになっているものです。
- DirectSoundドライバ
またDirectSoundドライバはその後に登場したDirectXという一連の技術の中のDirectSoundに対応しているドライバです。
ご存知のとおり、DirectSoundがゲーム用に作られたMicrosoftのWindows拡張機能であり、エフェクトが利用できるほか、レイテンシーも小さくすることができる。
【藤本健のDigital Audio Laboratory】第528回:「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」を検証 - AV Watch