「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」検証関連記事を追う(その3)
Windows10(評価版)の検証記事である。
USB Audio Class 2.0に対応しておらず残念がる藤本氏。
まずFLACのファイル(96kHz/24bit)をダブルクリックしてみると……、普通にWindows Media Playerが起動して再生された。……では、ALACはどうなのだろうか? 今回試したALACのファイル(96kHz/24bit)を見てみると、FLACとアイコンが違うことに気付く。これをダブルクリックするとWindows Media Playerではなく、Modern UIのミュージックが起動して、再生されるのだ。
【藤本健のDigital Audio Laboratory】第621回:Windows 10で、FLACとApple Losslessが再生可能! - AV Watch
ただしFLACとALACは特別なソフトがなくても再生できるようになった。
とは言え、藤本氏は最後でこのようにまとめた。
結局、Microsoftはオーディオなんてオマケ機能としか考えてないんだろうな、というのが正直な感想。Windows 10のリリースが秋だとすると、それまでは半年以上あるのだから、その間にせめてUSB Audio Class 2.0への対応くらいしてもらいたいところだ。そして、何よりも一番気になるのは、Windows Media PlayerやミュージックのWASAPI対応だ。以前の記事”第528回:「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」を検証”などでも見てきたとおり、Windowsのオーディオエンジンを通す限り、音質が劣化するのは事実。
藤本氏の落胆の様子が見て取れる。
よほど落胆したのか、藤本氏は後日次のような記事を書いた。
とはいえ、もしかしたらMicrosoftが音質改善のための手段として推奨するWASAPIを、今度こそ、しっかり使ったシステムになっているのでは……という淡い期待を胸に、実際どうなっているのかをチェックしてみた。
【藤本健のDigital Audio Laboratory】第622回:WASAPI対応ソフトを! Windows 10のオーディオ進化を望む - AV Watch
ここで藤本氏はWASAPIの活用について述べた。
- WASAPIドライバ
もっとも、こうした問題(音質低下)についてはMicrosoft自身も理解しており、それを解決するためにWindows Vista SP1の時点でWASAPIというドライバをリリースし、これを通すことで音が勝手に変化してしまう問題を避けることが可能になっている。WASAPIには排他モード、共有モードの2種類があるが、排他モードを使うことで、これが実現できるのだ。
実はMicrosoft自体が、Windowsの音質低下の対処法をすでに取っていたのである。
だが問題があった。
ところが、せっかくWASAPIという仕組みを用意したのにも関わらず、大きな問題がある。それはWindows標準のミュージックプレーヤーソフトであるWindows Media Playerや、Windows 8で搭載されたModernUI用のアプリである「ミュージック」がMMEドライバのみの対応となっているため、普通にWindowsで再生してもWASAPIの恩恵にあずかることがまったくできないのだ。
なぜだかわからないが、Windows Media PlayerやミュージックではMMEドライバしか使えないのだ。
理解に苦しむ。
結論として藤本氏は、Windowsが「USB Audio Class 2.0対応ドライバの実装」と「WASAPI対応の音楽プレーヤーの標準搭載」するようMicrosoftにお願いすることでこの記事を終えた。