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パソコンオーディオの本格導入、ちょっと待って!!

どーしても、一刻も早く導入したい!! という方はとめはしない。ただ「どうしようかな」とまだ迷っているのであれば、もう少し待つようおすすめしたい。

理由は2つある。

まずは機器の性能がこれからもどんどん向上していくことが見込まれること。

「そんなの当たり前じゃん」と言われるかもしれないが、オーディオの世界ではそうではない。5年10年、プリメインアンプを使い続けることは珍しくないし、パッシブスピーカにおいては20年などもある。

ところがパソコンに繋げるプリメインアンプとなると急速に発達している途上だといえる。これにもそれぞれ理由がある。

まずデジタルアンプの性能が向上しており、アナログアンプと肩を並べつつあるということ。デジタルの世界は日進月歩でありこれからどこまで成長するかまだ未知数である。

そしてパソコンとプリメインアンプ、あるいはスピーカーを繋ぐ無線技術が発展しつつあるという点。おそらくこれらは今後、ワイヤードからBluetoothに置き換わると考えられる。

しかしここでBluetoothによる音楽データ転送の限界が問題視される。なぜならこれまでの技術ではBluetoothではハイレゾデータを送れなかったからだ。

ただしそれを解決する規格がすでに2つ発表されており、一部の機器には搭載されている。Qualcommが主導する「aptX HD」とソニーが主導する「LDAC」である。

今のところどちらが優勢であるかははっきりとしないが、これまでのソニーの戦略からしてもLDACが積極的に規格を開放するとは考えにくく、Qualcomm社SoCプラットフォームを導入すれば、おそらく自動的に付与されるaptX HDが主流になるのではないかとわたしは考えている。

これって過去のパソコンそのものの技術進歩と似ていると感じる。

もともとパソコン自体も、モニタ出力も音声出力もそれぞれボードが必要であった。ビデオカードがありサウンドカードがあった。

現在では皆統合されてオンボードとなった。ビデオのとサウンドの性能はともかく、CPUが乗ったボード一枚で事足りるようになった。

だがパソコン接続を可能とする「プリメインアンプ」はその性能の鍵となるSoCの技術がまだ未発達なため、一部の技術が未搭載である。ハイレゾ再生は可能であるがDSD再生はできないということがありうる。

あと技術という点では「ネットワークオーディオ」というものがあるが、それはまた別の機会としよう。

というように、パソコンオーディオ機器の技術導入は今後も続くのであるが、今はまだそれらが不充分である。

2つ目の点は「機器が意外と場所をとる」ということだ。

パソコンオーディオをランクアップさせようとすると、今のところは「パソコン」とそれにUSBで接続する「プリメインアンプ」、およびそれに接続する「パッシブスピーカ」という構成になる。

このプリメインアンプがコンパクトではないとデスクトップにまず乗らない。おそらくLPレコードの名残ではないかと思うが、アンプは標準ででかい。ただこれには技術的にもそれなりの理由があって、できるだけスペースを取ると各機能のスペースを開けることができ、ノイズ軽減に役立つというものだ。

だがパソコンオーディオを始めようと思う人としては、そんなフルサイズのものはいらない。わたしがそうだ。そうなると省スペースのものを探すことになるが、今のところ「安くて省スペースのもの」というプリメインアンプはそれほど多くない。選択肢が限られる。これも今後発展が見込まれるジャンルであろう。

そしてスピーカーもでかくなる。特殊な技術を使わない従来からのスピーカーを使うとなると音の再現性から見て、最低でも「幅10センチ、高さ15センチ、奥行き15センチ」程度になる。

おそらくこれ以下にしようとすると音が悪くなるのだろう。この手のブックシェルフサイズのスピーカーは各社横並びでこの大きさが最低限である。

これが意外と場所をとる。これまでのようにノートパソコンやモニタの両脇に置くということが困難になる。

あと以外に重い。これも音質のためにやむを得ないのだろうがスピーカーの口径が大きくなるとそれだけ重量も増す。

やわなパソコンデスクでは、おそらく天板が歪むだろう。

わたしの場合は、幸いなことに余裕を持ったL型パソコンデスクであったので、左側スピーカーはなんとかデスクトップに置くことができた。しかし右スピーカーはテーブル外のダンボールに置くしかなかった。マルチモニタ仕様なので幅を取るのだ。

それならばコンパクトで接続が簡単な「アクティブスピーカーにするか」ということになるが、それだと「コンパクトプリメインアンプ」が用済みになってしまう。

音質向上のためにプリメインアンプを買ったのに、それが要らなくなってしまうというのは本末転倒である。

このように技術進歩と物理的な2つの問題で、パソコンオーディオというのはまだ過渡期である。あるいはジャンルとしては「黎明期」であるともいえる。

このような状態で冬のボーナスを突っ込むのはどうだろうか。

わたしはちょっと失敗したなと思っているが、あとのまつりであった。

やはりオーディオというものには覚悟が必要である。

ただし、それでも解決策がないわけではない。スピーカーをやめてヘッドホンにすればよい。わたしはヘッドホンが嫌だったのでダメだったが。