東映は「宣戦布告」というぶっ飛んだ作品を世に出した素晴らしい会社です
褒め言葉です。
北の潜水艦が福井県の敦賀半島に座礁。当然のごとく搭乗員は自決するが一部の工作員は山中に逃亡。
政府はできるだけ大事にしたくないから、全国からSATをかき集め捜索部隊を編成。
ところがSAT隊は、北の工作員からの携行式ロケット砲攻撃を受け死傷者を出してしまう。やむを得ず自衛隊を出すことになるが「治安出動」であったため、積極的な攻撃ができず自衛隊員にも死傷者が出てしまう……
映画館で3回見ました。軍事ポリティカル物好きにはたまらない設定です。
今でこそ、自衛隊の映画はめずらしくありませんが2002年では画期的なことでした。アメリカ同時多発テロと工作船事件がなければ間違いなくオクラ入りだったでしょう。
だって「北の工作員が原発を狙って自衛隊員と銃撃戦を繰り広げる」ですよ。
際どいですよ、内容が。
でも、CGのクオリティとSATの装備が…… そこは予算と撮影時期の関係でかんべんしてやってください。本当は2000年辺りから制作していたのが、遅れに遅れて2年後に公開ですから。
ただ制作陣の意気込みはすごいもので、最大級のスタジオ内に旧首相官邸内部を忠実に作成。あんまり大きすぎるのでスタジオの入口をそのまま官邸入口のセットにしました。だから階段から入口を写したカットの外からの光は正真正銘の日光です。閣議室は本物そっくり。座礁した潜水艦(ユーゴ旧)も前半分だけど制作。撮影したあとはすぐにスクラップにされたそうです。
原作本は以下。上下巻に渡る長編です。
偶然というか、同じ公開年に同じジャンルのトム・クランシーの小説も映画化・公開されました。
こちらは逆に映像はすごいんですけど、敵組織が「それはないだろう」という設定で残念。向こうさんもやはりリアルな敵を「映画とはいえ」登場させることにはいろいろと抵抗があったんでしょうね。