2つの恐怖「日本の黒い夏 冤罪」
もちろん元ネタは(というか隠そうともしていないが)松本サリン事件である。
ここで大衆がのちに知ることになったのは、言うまでもなく過剰報道による被害であった。
もう一つ怖いのが、カルト教団の犯行の様子の再現である。おそらくは裁判などで明らかになった情報を元に表現しているのだろうが、その様子が怖い。
犯行の態様も身の毛もよだつものだが、その後の被害拡大の状況もひどい。
液状の毒物を気体化させ送風機によって大気に放出させたのであるが、それを吸った人たちの状況はひどいものであった。
この映画で注目できるところは、サリンによる直接の被害者の身体状況も些細に示しているところだ。
映画では、何となく希望のある終わり方になっているが、現実はもっと悲惨であった。