プリンセスナイン、最初の山場は第8話

野球アニメとして見るならば次の第9話が山場になるだろうが、恋愛物、作画方面で見るならば断然第8話だろう。

前話の終わりにいずみはその母、桂子が持っているある写真を発見する。第8話はその写真は一体誰なのかをいずみが発見する重大な内容となっている。

さらにいずみにとってやっかいな事態が生じている。好きな宏樹の心が、涼に向いていることに気付かされるのだ。

望月監督の得意とする三角関係の明確な始まりである。

ところで望月監督がプリンセスナインに直接関わっているのは第1話である。絵コンテを担当している。

まずはいずみの顔に注目してもらいたい。

サブタイトル:わたし早川 涼、15歳!(第1話)

絵コンテ:望月智充作画監督:橋本義美

余裕しゃくしゃく、まさにヒロインの貫禄。いずみはまだ恋敵としての涼の存在を確知していない。

では、問題の第8話ではどんな表情を見せているのだろうか?

サブタイトル:野球部の運命をかけて(第8話)

絵コンテ:望月智充作画監督田中雄一

嫉妬のため敵意をむき出しにしているいずみ。

涼を学校から追放する方法が見つかり邪悪な笑みを浮かべている。先ほどの画像と比べてみると、ぞっとするほどの差を見せつけている。

作画監督である田中雄一氏の描くいずみは、恐ろしくかつ美しい。

第8話ではこの迫力のいずみの顔を存分に楽しめる。

だが望月監督は顔の演技にだけに頼らない。凄みを利かせるいずみに対する涼のたじろいだ様子を、ある方法で効果的に示す。