イラク治安部隊がモスルを奪還できた理由

イラクの治安部隊が激戦の末に同国北部の要衝モスル(Mosul)をイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から奪還したことは、イラク人にとって決定的な瞬間だったが、同時に、戦いを裏で支えた米国の政策が大きな勝利を収めた瞬間でもあった。

 イラクとシリアにおける米国の戦略は、米軍の大部隊を現地に派遣するのではなく、有志連合による空爆と、地元の軍や警察への訓練や助言の提供を組み合わせて継続的に行うというものだった。

モスル奪還、米政策面でも大きな勝利 イラク部隊の訓練が奏功 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News

イラク治安部隊を支援してきた「米国」の戦略が「基本」に戻ったからに他ならない。

対正規軍戦が終了した後は、敵歩兵が主力の対ゲリラ戦が主体となって戦闘は終了する。

米国は「イラク戦争(2003-2010」で、その終了部分で失敗してしまった。

何を血迷ったのか、市街地に潜む敵歩兵の掃討作戦を「米軍主体」で始めてしまったのだ。

ベトナム戦争を知っている人が軍首脳部にいなかったのか、それとももっと「上」の人間がごり押ししたのかわからないが、とにかく始めてしまった。

結局数千人の犠牲者を出したにもかかわらず鎮圧出来なかった。

出来ないんですよ、「ゲリラ部隊を他国の軍隊が鎮圧するという」ことは。

ベトナム戦争から何も学んでいなかったのだろうか……