GoogleVoice電話番号とアメリカ電話番号取得で沼にはまる(その3)-Google Fi(旧Project Fi)・前編

Google Fiはアメリカで提供されるモバイル通信サービスである。2018年11月28日にProject Fiより現在の名前に変更した。

これねぇ…… 最近まで全く注目してなかった。失敗したなぁ……

何せGoogle Voice電話番号を得るために、すでにアメリカの会社に携帯電話本体とSIM、リフィルカードを注文してしまっていたからだ。しかもT-MobileAT&Tの二組分。

プリペイドのものだから、それぞれは高額ではないんだけど総額でいうと…… あんまり言いたくない。

さて「Google Fi」である。

よく「MVNO通信サービス」といわれるのがが、それは「Google Fi」の本質を言い表してはいない。

 確かに、通信サービスをどのように提供しているのかと言われればMVNOというしかない。実際アメリカにおいてはT-Mobile、Sprint、U.S. Cellularの三社の通信回線を使っているので、間違いではない。

しかし「Google Fi」の凄いところは、サービスを行っている世界各地へ移動するに際して「シームレス」に回線を提供しているということだ。

端的に表現すれば、ひとつのスマーフォンを持っていて、アメリカから日本に来たとして、特に何もすることなく日本でも電話ができるのだ。

イメージ的に近いのは「ローミング」であるが、その範囲と料金では類似のものをはるかに凌駕している。

Google Fi」が使える国と地域は、先ほど調べたらなんと211である。わたしが割と感動したのは「グアム」がそこに含まれていることであった。

グアムという場所は携帯電話的に見たら非常に不思議なところである。アメリカ領なんだけど「州」ではない。だからかどうかはわからないが、アメリカの4大携帯電話会社は一社もない。グアムオリジナルとでも言おうか。

だから米本土と同じ扱いにならない。T-Mobileにおいてはプリペイド利用であれば1分1ドルである。特にお得でもない。というか高い。普段は「何セント」という単位なのに。

日本の携帯電話会社で言うと、海外利用一日パケット980円。それに音声通話料金が追加される。滞在国内宛1分80円。日本向け180円。SMS1通100円。ちなみにグアムでは着信側もお金がとられます。1分130円。

もちろんそれなりの理由はあるのだろう。だが高い。

そこで「Google Fi」の登場である。

月額20ドルが基本料金。通話料金1分2セント。ほんとですか? にわかに信じがたい。

ちなみにアメリカから日本へは相手によって微妙に違います。

固定電話へは3セント、携帯電話へは9セント、IP電話へは4セントです。1セントよりは高いが、それでも日本の携帯電話会社が提示している料金に比べたらかなり安いのは間違いない。

で、グアムなんですけどね。日本の携帯電話によるローミング料金が高すぎるので、それを回避する方法として「レンタルモバイルWi-Fiルーター」が登場している。

これだと1日500円程度でデータ通信ができる。

だがこれには大きな欠点がある。携帯電話としては電話ができないのである。当然ですよね、Wi-Fiの電波しか出てないんだから。それに携帯電話やスマートフォンのほかにデバイスをさらに持ち歩かなければならないというのは、スマートじゃない。

では「スマートフォンのレンタル」にすればよいのではないか。でも自分の使い慣れたものではないという問題があり、年配の方からは不満が出ている。

では最終兵器。現地SIMを購入する。

料金の面や使い勝手から言えばこれに軍配が上がる。ただし、一般人ならあまり行わない作業をしなければならない。SIM交換とAPNの設定である。あの細いピンを使って、空港で作業する…… 個人的には楽しそうだと思うが、ほかの人はどうなんだろう?

そしてこれをするためには、グアムのお店に出向かなければならない。ここでは自分の端末を店員さんに渡せば設定をしてもらえるそうである。しかしそうでなければSIMカードを買って自分で設定するしかない。しかもその設定が正確でなければ電波につながらない。その間はWi-Fiルーターでしのがなければならない。

これは結構敷居が高いですよ。

そこで「Google Fi」の登場である。

なんと、サービス展開地においては、Aという国からBという国に行こうとも、さらにそこからCの国に移動しようとも何の設定もする必要がない。Googleの説明ではその場所で最も適切なWi-Fiおよび3GならびにLTEに自動で接続するという。

夢のような仕組みではないか。

ただし、どのスマートフォンでもよいというわけではない。「Google Fi」を最大限(ここ大事)利用するためには条件がある。それを説明する過程として細かい解説をするのをお許し願いたい。

実はGoogleは、このサービスを利用するための端末を限定している。というのもその仕組みが結構複雑だからだ。

最初に列挙しておくが……

あぁ、また長すぎる。後半に続く。