GoogleVoice電話番号とアメリカ電話番号取得で沼にはまる(その2)-Wi-Fi calling(Wi-Fi通話)とは

関心のあることはめちゃくちゃネットで調べるんですよ。それでいろいろと情報を得たので備忘録としてまとめることにした。

本目的はGoogleVoice電話番号を得ることであるが、付随してそれのために行わなければならないこと、そしてそれのための知識が必要である。

なぜかというと、基本的に日本にはアメリカの携帯電話会社のショップというものがない。いや探せば東京あたりにはあるんでしょうけど、こちとら田舎なのでそんなものはない。なので、どうしても独力で調べて結果を出さなければならない。

実は3年ほど前に同じ動機で行動を起こしたことがあった。そのときはTARGET(アメリカ小売店)という店が、日本にも配送を行っていたので(現在は不明)軽い気持ちでT-Mobileプリペイドスマートフォンを購入し、同時にSIM starter kit を手に入れてそれを日本でアクティベートしようとした。

そのとき具体的にどのようなことを試したかは忘れてしまったが、結果としてはつながることはなかった(T-Mobileから最初のSNSは届いたんだけど、それで終わってしまった)。

なぜT-Mobileを選んだかと言えば、当時T-Mobileだけが「Wi-Fi calling」という仕組みを導入していたからだった。日本ではいまだにどのキャリアも始めていないものである。まぁなんで導入しないのかなんとなくわかるんだけどね……

さて、この「Wi-Fi calling」というのは何かというと、Wi-Fiが通じているところであれば、キャリアの電話としての通話もそこで可能にしましょうというもの。もちろん電話番号を使ったメッセージのやり取りも可能である。

日本においては、かなりアンテナのカバー率が高くなったのでこのようの手法は必要がなくなってきているが、アメリカにおいてカバー率が著しく低かった(当時)T-Mobileにとっては起死回生の技術であった。

何せ、Wi-Fiの電波があれば仮にそこが基地局のカバー外であったとしてもT-Mobileの携帯電話が使えるのである。T-Mobileのユーザーの家が基地局のカバー外にあっても、自宅にWi-Fi電波を飛ばしていれば、少なくとも家ではT-Mobileの携帯電話をかけたり受けたりできる。

ここでわたしは考えた。

(だとすると、日本でもこの方法で電話が使えるのでは?)

個人的にはいい線をいっていたと思うのだが、とにかくうまくいかなかった。

今ではアメリカの4大通信会社はすべてこの技術を導入している。日本のS社もカバー率が低かったんだからやればよかったのに……

ただこのWi-Fi callingにも欠点がある。いや、技術的には全く問題はない、むしろメリットだけしかない。では何が問題か。それはWi-Fi calling を導入するかどうかはキャリアが決めることができるということだ。

わたしも技術者じゃないから、詳しくその方法は分からないのだが、いずれにしてもWi-Fiを通して事業者の通信回線に入るという仕組みはあるから、キャリアが認めなければそれを使うことができない。

だから日本ではあまり知られていないが、iPhoneなどでは「Wi-Fi通話」としての仕組みが端末にすでに備わっているので、その設定は日本においても見ることはできる。だがそれを使って電話をかけることはできない。

日本の3台キャリアはどこもこの仕組みを認めておらず、その技術も導入していないからだ。だからiPhone同士のWi-Fiを使った通話にしか使えていない。アメリカであれば、それを使ってどこの奥地でもWi-Fiの電波さえ来て居れば電話ができるのにである。

 ただ、LTEの仕組みを利用していないのでそこからの位置情報というのがつかみにくい。なので、実効性はともかくWi-Fi callingを使うためには「緊急通報のための位置情報」を明らかにしなければならない。T-Mobileにおいては、アプリにそれを登録して初めて使えるようになる。

わたしが使えなかったのはそれのせいかなぁ……

あと、このWi-F icallingについては、もう一つキャリアが決められることがある。それは国際電話の扱いをどうするかだ。

理屈で言えば、とにかく電話回線ではなくネット回線を用いているわけだから例えば日本においてWi-Ficallingを使っアメリカに電話をかけたとしても、それだけで国際電話料金を取られるというのもおかしな話である。

だがやはり通信事業者の回線を使っているわけだから、海外においてのWi-Ficallingを使っての国際電話の場合、それを国際電話料金として請求するか、それとも国内料金として請求するかは、事業者に任されている。

T-Mobileにおいては、料金体系としては一応Wi-Ficallingを国外で使ったならそれは国際電話として分けられているようだ。

ああもう一つ欠点があった。それは技術的ともいえるかもしれない。端末によってはWi-Ficallingが使えないことがあるということだ。

だからネットで「Wi-Fi calling」の文字を検索すると「〇〇というスマートフォンではWi-Fi callingが使えますか?」とか「××を使っているが、Wi-Fi callingが使えない、どうすれば使えるようになるのか?」というものが掲示板等でよく見つかる。

Wi-Fi calling」が使えるようになるためにはキャリアがそれを認めなければだめだということはすでに述べた。だがもう一人「Wi-Fi calling」にはプレイヤーがいる。

端末を作った会社だ。

通信会社が「Wi-Fi calling」の通話を認めても、使っている端末がそれに対応していなければだめなのである。

海外でも使えるスマートフォンWi-Fi設定を調べてみればわかるのだが、そこには「Wi-Fi通話」という項目があり、それを使うか使わないかを決められるスイッチがある。

携帯製造会社が、機能として「Wi-Fi calling」を使えるように作りこまないと、駄目なのである。

そこら辺の作り込みがうまくないのか、キャリア的には使えても端末では使えないということがあるようである。

「あるようである」というのは(ここではAndroidに限定して話すが)基本ソフトとして現在では「Wi-Fi calling」の機能は組み込まれていることが当たり前になっているからだ。だからもしかして質問者は設定を適切にしていないため、それが使えないということも考えられる。

ただ、普通の携帯電話は3GだのLTEなどの回線を使えば、特に設定を必要とせずに通話できるのが当たり前なわけで、そこらへんは「Wi-Fi calling」の独自の問題として存在するようだ。

そしてこれは本質的に関係があるのかどうかはわからないのだが、アドバイスとして「『Voice over LTE』」の設定をオンにするように」というのがよく見られた。

だから「Pixel 2を使っているのですが……」という説明だけでは十分ではない。

このような設定が、果たして本当に「Wi-Fi calling」に必要かどうかはわからないのだが、やはりこのような話があるということは、Wi-Fi callingというのは簡単に誰もが使えるものではなさそうであるという印象がある。

またSIMフリー端末の存在がまた状況を複雑にしている。

その人の使っている端末が、キャリアのロックされた端末なのか、キャリアのロックされたものを解除した端末なのか、キャリアのプリペイドSIMをSIMフリー端末で使っているのか、それぞれで状況が違うのも混乱に拍車をかけている。

さらに話は続く。